なぜ梅雨はある?:チコちゃんに叱られる!【2023/05/22】

なぜ梅雨はある?という話がありました。

これについて、気象庁の及川義教さん(気象庁 大気海洋部 気候情報課)が説明していました。

そもそも、「梅雨」というのは、春の終わりから夏にかけて、雨や曇りの日が多く現れる現象。

その理由は、チベット高原があるから。

「チベット高原」とは、ヒマラヤ山脈など、平均標高4000m以上の高原。

日本から、約4000kmも西に位置している。

日本の梅雨と、どう関係しているのか?

標高の高いチベット高原では、夏が近づくと、強い太陽の日ざしで、地面が暖められることにより、上空には温かい空気が出来る。

この温められた空気こそが、日本の梅雨の原因。

暖かい空気は軽いため、その下では気圧が下がり、そこに海から風が吹き込む。

海から吹き込んできた風なので、雨の元となる多量の水蒸気を含んでいる。

このインド洋から吹き込む水分の多い風は、地球の自転の影響で、南西風のモンスーンとなって、日本付近まで流れ込んでくる。

さらに・・・、

アジア大陸の上空には、「亜熱帯ジェット気流」と呼ばれる非常に強い西風が常に吹いている。

チベット高原で暖められた空気自体も、この西風によって日本付近まで運ばれてくる。

日本付近にたどり着いた暖かい空気の下に、多量の水蒸気を含んだ風が流れ込み、たくさんの雨を降らせる雲を発生させる。

さらに、この暖かく湿った空気が、勢いを増し、日本の上空で、北側の冷たく乾いた空気と、せめぎ合いを始める。

この境目の部分が、梅雨によく聞く「梅雨前線」。

梅雨前線は、「停滞前線」とも呼ばれ、長くその場にとどまって、広い範囲でぐずついた天気が続く。

これが「梅雨」。