カレーうどんのとろみがなくなる理由:チコちゃんに叱られる!【2023/05/26】

カレーうどんを食べた後に、スープがシャバシャバになる謎の現象がある。


なぜ、トロトロだったものが、

わずかな時間でシャバシャバになるのか?

これについて、槻木恵一 先生(神奈川歯科大学 教授)が説明していました。

カレーうどんを食べていると、シャバシャバになるのは、スープにあなたのだ液が侵入しているから。

例えば、料理にとろみをつけたい時、かたくり粉を使う。

かたくり粉は、じゃがいもなどのデンプンを含んだイモを乾燥させて作ったもの。

そのデンプンが水を含んで加熱されると、糊(のり)のようになる「糊化(こか)」という現象が起きて、トロトロになる。

では、カレーうどんがシャバシャバになるのと、人のだ液には、どのような関係があるのか?

ここで、実験。

人間のだ液に含まれている「アミラーゼ」という成分を、カレーうどんに、入れて、5分待つ。

すると、食べた時と同様に、スープはシャバシャバになった。

入れる前と後のスープのねばりけを専用の機械で測ってみると、

入れる前は、2.9デシパスカルだったのが、入れた後は、0.0デシパスカルになった。

これは、中濃ソースから水くらいのとろみに変わったことを意味する。

つまり、このアミラーゼこそが、カレーうどんをシャバシャバにする原因。

アミラーゼとは、だ液に含まれる食べ物を消火するための酵素。

だ液に含まれるアミラーゼは、デンプンを分解して、「デキストリン」と「麦芽糖」の2つの成分に分解して、吸収しやすくしている。

あの「ごはんを噛めば噛むほど甘くなる現象」も、アミラーゼが原因。

そんなアミラーゼを含んだだ液が、

箸でうどんをつかんだり、

スープを飲んだりして、

カレーうどんを食べる動作の中で、アミラーゼが器に侵入。

すると、アミラーゼが、スープの中のデンプンを分解。

とろみのもとであるデンプンが消えたことで、シャバシャバになっていた。

アミラーゼは、非常に強力な酵素で、個人差はあるが、

1日の生活で出る1リットル分のだ液アミラーゼがあれば、

理論上は、カレーうどん1400杯分のとろみを消すことができる。

なので、少しでも、だ液が箸についたり、スープを飲んだりするだけで、

1杯のカレーうどんをシャバシャバにするには、十分なアミラーゼが侵入している。