なぜトイレットペーパーだけトイレに流していい?:チコちゃんに叱られる!【2023/06/09】

なぜトイレットペーパーだけトイレに流していい?という話がありました。



これについて、黒﨑暁さん(トイレットペーパー製造会社 社長)が説明していました。

「トイレットペーパーだけトイレに流していいのは、紙そのものだから」

紙は木の繊維を水と混ぜて、薄く延ばしたあと、

乾かしている。

トイレットペーパーも、同じ方法でつくられている。


なので、トイレットペーパーは、まさに紙そのもの。

だから、トイレに流してもいい。

紙そのものだと、なぜ流してよいのか?

トイレットペーパーをちぎってみると、よくわかる。

端の部分がボソボソとしている。

これが木の繊維。

紙は、この細い糸のような繊維が、たくさん絡み合ってできていて、

水に入れると、繊維が細くほぐれる。

なので、トイレに流しても詰まりにくい。

このように、トイレットペーパーは、溶けているのではなく、ほぐれているだけ。

そもそも、「水に溶ける」とは、砂糖のようにものが水に消えて見えなくなること。

一方、トイレットペーパーを水に入れて、かき混ぜても、繊維は消えない。

その後、1時間置いても、下に沈んだままで、溶けてはいない。

トイレットペーパーをトイレに流してもいいことは、わかった。

では、ティッシュペーパーも流してもいいのか?

ティッシュペーパーは、トイレに流してはいけない。

ティッシュペーパーは、鼻をかんだり濡れたものを拭いたりするので、

ノリのような役割をする樹脂を混ぜ、水に触れても、ほぐれづらくなるようにつくられている。

そのため、トイレに流すと、つまってしまう。

他にも、一般的にポスターやお札など、私たちがよく目にする紙は、水に入れても、ほぐれないようにつくられている。

トイレットペーパー以外の紙は、

水でほぐれないように、製造過程で、様々な加工がされている。

トイレットペーパーは、加工されていない、まさに紙そのものだと言える。

つまり、紙そのものであるトイレットペーパーだけが、水に入れるとほぐれるので、トイレに流してもいい。

ちなみに、トイレに流されたトイレットペーパーは、下水道管を通って、下水処理場に運ばれる。

それを、微生物が食べて、水をきれいにする。

トイレットペーパーを食べた微生物が、ゴミや土などと一緒になって沈んで「汚泥(おでい)」というものになる。

それらは、リサイクルされ、身近な所に使われている。

例えば、建設現場の穴を埋める土、下水道管やレンガなどの原料、肥料、花瓶や貯金箱など、様々なものに生まれ変わっている。