なぜ高速道路のサービスエリアの駐車場は斜めなのか?という話がありました。
スーパーやコンビニの駐車場は、斜めになっていないが、
高速道路のサービスエリアは、斜め、これはなぜか?
これについて、高速道路の歴史に詳しい、佐滝剛弘 先生(城西国際大学 観光学部 教授)が説明していました。
日本で最初にサービスエリアが出来たのは、今から60年前の1963年。
高速道路の開通と同時に、つくられた。
戦後、GHQの指導により、復興のシンボルとして、全国各地で進められた高速道路の建設。
最初に出来た高速道路は、滋賀県の栗東と兵庫県の尼崎を結ぶ「名神高速道路」。
最初に出来たサービスエリアは、「滋賀県・大津SA(上り)」。
なんと、当初から駐車場は斜めだった。
1台でも多くの車をとめるためだった。
サービスエリアは、山あいなどにつくられることが多く、建設費用の関係もあり、必要最小限のスペースで建設される。
当時、敷地が狭いサービスエリアでは、より多くの駐車スペースを確保するために斜めに、敷地が広いSAではまっすぐな駐車場がつくられた。
駐車スペースが真っ直ぐな場合、侵入する角度が急なため、ハンドルの切り返しが多くなり、道路の幅が広く必要だが、
斜めだと、車の侵入する角度が緩いため、簡単に車を停めることができるので、ハンドルを切り返すのに必要な通路の幅が狭くてすむ。
つまり、斜めにすることで、通路の幅を狭くでき、駐車スペースを増やすことができる。
実際、滋賀県にある菩提寺パーキングエリア(上り)では、改装して斜めにすることで、161台から190台に増加した。
そんな斜めの駐車場は、車を多く停められるだけでなく、実は、逆走事故防止に役立つことがわかってきた。
真っ直ぐな駐車場の場合、右に行くか左に行くか、間違えて逆の方向(入り口)に行ってしまい、
高速道路を逆走してしまう事故が起こっていた。
ところが、斜めの駐車場、つまり車が斜めに停まっていると、車が進む方向に向いているので、そのまま出ていけばいい。
実際、データ上でも、逆走事故が、27%から6%まで、減少した。
そんな斜めの駐車場は、さらに進化。
新東名高速の浜松SA(下り)では、駐車場に車を停める時に、前から入れていたのをバックで入れる「後退駐車」へと変更した。
その理由は、接触事故を減らすため。
事故原因を調査したところ、
出発の時に車をバックで動かすと、後ろが見えにくいため、事故が起こりやすいことが分かり、
車を停める時はバックで、出発する時は前から出る方が、事故のリスクを減らせることが分かった。
今後、サービスエリアの斜めの駐車場は、この「後退駐車」に変わっていく予定だという。