なぜ電子レンジは温められるのか?という話がありました。
これについて、電子レンジの仕組みに詳しい 川村康文 先生(東京理科大学 理学部 教授)が説明していました。
電子レンジで物を温める時は、マイクロ波が飛び回っている状態。
「マイクロ波」という、テレビ放送にも使われる電波の一種が当たって温められている。
実際に、肉まんを温めながら説明。
肉まんには、水分が含まれており、
これを拡大すると、水分子が集まっている。
水分子は、プラスとマイナスの電気を持っているが、この電気はまるで、磁石のS極とN極のように、引き合ったり反発したりする特徴がある。
そして、レンジの「あたためボタン」を押すと、
中でマイクロ波が発生。
実は、マイクロ波の中にもプラスとマイナスがあり、交互に入れ替わりながら、飛び回っている。
マイクロ波が肉まんに当たると、肉まんの中の水分子が、マイクロ波の中のプラスとマイナスにつられて動く。
その速度は、なんと1秒間に焼く24億5千万回。
四方八方からマイクロ波が当たって、水分子が激しく動き、まるでおしくらまんじゅうをするように、こすれ合って生まれた熱で、肉まんは温かくなる。
わかりやすく例えるなら、「舞台にアイドル(マイクロ波)が登場した時、ファン(水分子)が熱狂する!」みたいな感じ。
ちなみに、同じ水分でも、氷をレンジに入れても、なかなか温まらない。
水の場合は、水分子のつながりが緩いため、マイクロ波が当たると激しく動く。
しかし、氷は水分子のつながりが強いため、マイクロ波を当てても分子の動きが小さく、温まりにくい。
冷凍食品も氷と同じ。
なので、一度、水に濡らしてレンチンすると、その水から熱が生まれ早く温まる。
陶器やガラスは、水分をほとんど含まず、暖まりにくい性質をもっているが、温められた食べ物の熱が伝わり、温かくなる。
ちなみに、金属製のお皿やアルミホイルをレンジで温めると、火花が出て燃えることがあるが、これは、マイクロ波が金属に当たった時に、金属表面の電子がマイクロ波の影響で、激しく動き出して、飛び出て熱や光になるから。(危険なので絶対にやらないでください)