ある日、男は、夜遅くまで残業をしていた。
時間は、終電近くになり、
一緒に働いていたもう一人の同僚も先に帰った。
男は、会社に1人になった。
その後、ようやく男は仕事を終えて、会社を出ようとすると、
なぜか、エレベーターが自分がいるフロアの6階にとまっていて、
男は、ドキッとした。
深夜のこのフロアには、自分しかいないはずなのに、
エレベーターがあるから、誰かが来たのではないかと、怖くなった。
しかし、これは・・・、
先に帰った同僚が、エレベーターに乗って1階に着く。
エレベーターを降りる時に、6階のボタンを押してから出る。
無人のエレベーターが、6階に到着することになる。
こうすれば、居残りの男が帰る時に、
エレベーターを待たずに、少しでも早く帰れる。
そういった、同僚の無言の気遣いであったかもしれない。