先日、年に1回開催される、お盆の時期恒例の都立霊園の抽選会が、オンラインで行われた。
管理費の安さなどから人気だが、今年(2023年)は、倍率が78倍の区画が出るなど、
以前にも増して応募が殺到した。
都心の一等地にありながら、貴重な緑の空間が広がる「青山霊園」。
広大な敷地に、各界の著名人の墓もある日本初の公園墓地「多磨霊園」。
都立公園は、8カ所あり、いずれも高い人気を誇るが、抽選会で当選した人だけが、権利を得られる。
今年、取り分け倍率が高かったのは、「小平霊園」。
ある区画の最大倍率は、78.4倍。
人気となったのは、他の遺骨と一緒に埋蔵する「合奏埋蔵施設」。
生きているうちに、自分自身のお墓を予約する「生前申込」が可能で、さらに管理費もかからないため、
残された子どもにも、負担をかけずにすむと人気を集めている。
応募した人のひとりAさん(61)が「都立」にこだわる理由は、こうだった。
Aさん「納骨堂のマンションみたいな建物があって、そこに遺骨を入れたら、そこの企業が倒産してしまって、『お骨困ったね』というニュースを見た時、安心感があるかなと思って都立を選んでみました。Aさん」
去年(2022年)、事実上経営破綻した札幌のある納骨堂は、建物内に遺骨が残されたまま突然閉鎖され、代表が音信不通となったことで、社会問題となった。
Aさん「『都が運営するなら』という安心感。」
これが応募する決め手のひとつになったという。
去年、一昨年と、落選が続いたAさんは、遺骨をそのまま埋蔵する区画より倍率の低い、遺骨を砕いて埋蔵する「粉砕遺骨」の区画(倍率1.3倍)を申し込んだところ、当選した。
Aさん「ヤッター、3回目にして当選、安心して死ねます。」
とのことだった。