スイッチを押すと破滅するボタン:ひるおび【2023/09/01】

第63回メフィスト賞を受賞した本、「スイッチ 悪意の実験」を紹介していました。



大学生の小雪は、ある日先輩からアルバイトに誘われる。

期間は、およそ1か月。

バイト代は、1日1万円で、雇い主は、安楽(あらき)という有名な心理コンサルタント。

しかし、仕事内容は当日まで、わからないという。

あやしいと感じつつも、参加を決めた小雪。

むかえたアルバイトの日。

雇い主の安楽が、参加者6人を連れて行ったのは、幸せそうな家族が営む小さなパン屋さん。

安楽「お店にいる間は、純粋にパン屋さんの魅力を楽しんで下さい」

店を出ると、安楽は参加者全員に、あるスマホのアプリをインストールするよう指示する。

アプリを開くと、「スイッチを押しますか?」の文字。

小雪「そのスイッチを押したら、何がどうなるんですか?」

安楽「さっきのパン屋さん・・・、彼らが、破滅します」

安楽の主催するバイトの内容とは、

自分に利害関係がなくても、人を破滅させたいという感情だけでスイッチを押すのか?

すなわち、人間に「純粋な悪の心」が存在するかを確かめるための実験だった。

パン屋さんは、開業以来、赤字が続き、安楽の援助がないと成り立たない状況で、

もし、誰かがスイッチを押したら、その援助を打ち切り、破滅させるという。

アルバイト期間の1か月、スイッチの存在を常に意識しながら毎日を過ごす参加者たち。

しかし、誰もスイッチを押すことなくむかえた最終日に事件は起こる。

何者かが、小雪のスマホを盗みスイッチを押した。

小雪は真相を確かめるため、スイッチを押した人物を探し始める。

その中で、小雪が知る参加者の過去や秘密。

そして、自分との意外な接点。

全てがひとつに繋がった時、思いもよらぬ人物へと辿り着く。