第63回メフィスト賞を受賞した本、「スイッチ 悪意の実験」を紹介していました。
大学生の小雪は、ある日先輩からアルバイトに誘われる。
期間は、およそ1か月。
バイト代は、1日1万円で、雇い主は、安楽(あらき)という有名な心理コンサルタント。
しかし、仕事内容は当日まで、わからないという。
あやしいと感じつつも、参加を決めた小雪。
むかえたアルバイトの日。
雇い主の安楽が、参加者6人を連れて行ったのは、幸せそうな家族が営む小さなパン屋さん。
安楽「お店にいる間は、純粋にパン屋さんの魅力を楽しんで下さい」
店を出ると、安楽は参加者全員に、あるスマホのアプリをインストールするよう指示する。
アプリを開くと、「スイッチを押しますか?」の文字。
小雪「そのスイッチを押したら、何がどうなるんですか?」
安楽「さっきのパン屋さん・・・、彼らが、破滅します」
安楽の主催するバイトの内容とは、
自分に利害関係がなくても、人を破滅させたいという感情だけでスイッチを押すのか?
すなわち、人間に「純粋な悪の心」が存在するかを確かめるための実験だった。
パン屋さんは、開業以来、赤字が続き、安楽の援助がないと成り立たない状況で、
もし、誰かがスイッチを押したら、その援助を打ち切り、破滅させるという。
アルバイト期間の1か月、スイッチの存在を常に意識しながら毎日を過ごす参加者たち。
しかし、誰もスイッチを押すことなくむかえた最終日に事件は起こる。
何者かが、小雪のスマホを盗みスイッチを押した。
小雪は真相を確かめるため、スイッチを押した人物を探し始める。
その中で、小雪が知る参加者の過去や秘密。
そして、自分との意外な接点。
全てがひとつに繋がった時、思いもよらぬ人物へと辿り着く。