ここに、線がたくさん描かれた紙がある。
線の数は、全部で13本。
カッターと定規を使って、紙の両端に描かれている印を通るように、
真っ直ぐ紙を2つに切り分ける。
この切れ目に沿って、上の紙を線一本分スライドさせる。
この状態で、線の数を数えると12本。
線が1本減った。
最初の13本のうち、どの線が消えたのか?
実は、どの線も消えていない。
線の数を少なくしてみると、よく分かる。
線の数が3本で試してみる。
先13本の時と同じように、紙を2つに切り分けて、
切れ目に沿って、上の紙を線一本分スライドさせると、
3本だった線が2本になった。
しかし、これはどこかの線がなくなったわけではなく、
真ん中にあった線が、左側と右側の線と合体しただけ。
線が13本だった時も、これと同じことが起こっている。
線を色分けしてみると、よく分かる。
切り分けてずらすと、13本あった線が12本になるが、
よく見ると、一番右の線は、スライドしてきた青い線と黄色の線の一部が合わさり、最初よりも、少し長くなっている。
つまり、全部の線の合計の長さは変わらないまま、
それぞれが少しずつ、長くなることで、線が一本少なくなっていた。