効率のよいタイヤの運び方がありました。
日本からメキシコへ輸送するコンテナの中を見てみると、
タイヤがギッシリ詰まっていた。
これは、乗用車用のタイヤ。
日本のタイヤは海外でも人気で、世界の生産シェア率は日本が世界第1位。
それにしても、コンテナの中では、タイヤを不思議な積み方にしている。
これは、レース編みのように積むことから、「レーシング積み」と呼ばれる手法。
輪の中にタイヤをはめ込むようにクロスさせて積むことで、
平積みよりも、10%多く積むことができる。
コンテナの輸送運賃は、重さ30トンまでは同じなので、なるべく多くのタイヤを積んだ方が、輸送コストを下げられる。
もし、タイヤを縦に並べてしまうと、
タイヤの真ん中に無駄なスペースが多くできてしまい、たくさん積むことができない。
しかし、レーシング積みでは、空洞部分を利用して、タイヤを互い違いに積むことで、無駄な空間を少なくし、より多くのタイヤを積むことができる、
この積み方は、世界中で使われている。
ちなみに、中古タイヤの場合は、新品のモノに比べて、さらに多くのタイヤを積むことができる。
同じコンテナでも、600本も多く積むことができたケースもある。
どうしているのか?
実は、1個の中古タイヤの中には・・・、
さらに、もう1個中古タイヤが入っていた。
1本に見えるこのタイヤは、2つのタイヤが合わさっていた。
このように、タイヤの中にひと回り小さいタイヤを入れることを「ダブリング」という。
どのようにして、タイヤを入れているのか?
「ダブリングマシン」という電気と空気圧でタイヤを圧縮する機械を使う。
まず、大きい方のタイヤの幅を広げる。
広げたタイヤの中に、小さい方のタイヤを潰して・・・
押し込んで入れる。
さらに、タイヤの中に、2つのタイヤを入れることもあり、それを「トリプリング」という。
今回使用したコンテナの場合、ダブリングすると、2倍の2000本、トリプリングすると3倍の3000本 を積むことができるという。
タイヤは空気を運んでいるようなもの、空洞部分の使い方で積む量は増える。
1回のコンテナで積む量を増やして、タイヤ1本あたりの運搬コストを少しでも下げている。