なぜバスケットボールの得点は2点なのか?:チコちゃんに叱られる!【2024/06/14】

なぜバスケットボールの得点は2点なのか?という話がありました。


これについて、バスケットボールをはじめ、スポーツの歴史に詳しい、

谷釜尋徳 先生(東洋大学 法学部 教授)が説明していました。

バスケットボールの得点が2点になったのは、

試合中にファウル(反則)をすると、相手に得点が入るようにしたら、ややこしいことが起きたから。

1891年、アメリカでバスケットボールが誕生。

現在、バスケットボールの得点は、シュートが2点。

相手から受けたファウルなどで与えられるフリースローが、1本1点。

そして、3ポイントラインの外側から放つ、3ポイントシュートが3点というルール。

一方、当初の得点は、シュートが1点。

そして、どちらか同じチームが連続で3回ファウルをすると、

相手に1点が入るというルールだった。

問題は、ファウルによる得点が増えすぎたこと。

これには、当時のルールが関係していた。

例えば、

・当時のルール第9条
「ボールがコートの外に出た場合、最初にそのボールを保持した選手がスローインの権利を得る」

とある。

ボールがコートの外に出た場合、

現在のルールでは、相手チームのスローインでゲームが再開されるが、

当時のルールでは、最初にボールを保持した選手がスローインの権利を得るので、

敵味方関係なく、ボールの奪い合いが始まり、相手を押したり掴んだり叩いたりと、コートの外でもファウルが続出した。

さらに、新しいスポーツだったバスケットボールは、

シュートの技術が未熟で成功率も低かったため、

わざとファウルを誘い得点を狙うケースもあった。

その結果、シュートによる得点ではなく、

ファウルによる得点で、試合の勝敗が決まってしまうという事態が続いた。

これでは、本来、シュートで得点を競うバスケットボールの面白みが失われてしまう。

そこで、1893年、ルール改正が行われ、シュートの得点を1点から3点に変更。

さらに翌年(1894年)には、3回連続ファウルで、自動的に1点が入るルールを廃止。

そのかわりに、ファウル1回ごとにフリースローが与えられ、これが成功すれば、3点とした。

つまり、シュートの得点を3倍にして、その価値を高め、相手のファウルに頼らず、フリースローで得点する仕組みを作った。

しかし、シュートの成功率は依然として低く、ファウルによるフリースローの得点が多くなる傾向があった。

そのため、フリースローの得点を3点から1点に下げることにした。

相手のディフェンスをかわして、やっと得点ができるシュートと、誰にも邪魔されずに得点できるフリースローが、

同じ3点というのも不公平感があったのかもしれない。

ということで、シュートは、そのまま3点、フリースローが1点に下げられた。

すると今度は、1点にしたフリースローに比べて、シュートの3点が重すぎるという批判が噴出。

最終的に、シュートの得点は重すぎず、かつ、フリースローで試合が決まることを避けるために、

フリースローより1点高い2点になった。

こうして、約10年かけて、2点となり、3ポイントシュートも加わり、現在のルールが定着している。