くしゃみをする時に目を閉じるのはなぜ?という話がありました。
これについて、生活習慣病をはじめ、人体について25年以上研究を続ける、
工藤孝文 先生(内科医)が説明していました。
くしゃみをする時に目を閉じるのは、目玉が飛び出るかもしれないから。
口・鼻・目は、顔の奥で、つながっていて、
くしゃみをした時、目の方にも空気が流れていく。
目を開けていると空気の圧力で、目を押し出してしまう可能性がある。
皆さんが、よ<経験されるのが、目薬をしたあとに、口で苦みを感じること。
目薬が、鼻涙管を通って鼻ヘ、そして鼻から目薬がロへ行って、苦みを感じる。
目と口と鼻はつながっているので、くしゃみをする時に流れてくる空気で、目が押し出されないように目を閉じる。
ところで、くしゃみで空気をはく勢いは一体どれくらいなのか?
くしゃみの最大速度を測った研究によると、秒速15.9mで、時速57.24km。
つまり、くしゃみの時、鼻や口を閉じると、車と同じくらいのスピードの空気が、
勢いよく目の方に流れてしまい、目玉が飛び出る可能性がある。
そのため、目を閉じて押さえている。
さらに、もう一つ目を閉じる理由がある。
鼻の空気の通りを良くするため。瞬間的に鼻くうを膨らませている。
ある男性の目を開けている時の鼻の穴の大きさは1.2cm、
目を閉じると、1.5cmだった。
このように、目を閉じるだけでかなり鼻の穴が広がるため、
鼻の空気の通りがよくなることが分かる。
では、どれくらいの強さで目を閉じているのか?
筋肉に流れる電気の大きさで、力の強さを調べてみると、
目を力いっぱい閉じたときの力の強さは、最大で、0.4mV。
一方、くしゃみをした時は、0.5mV以上になった。
くしゃみをすると、極めて大きな力が、出てしまうことが分かる。
くしゃみの時というのは「反射」。
自分の意思ではないが、これぐらいの筋力が出ている。
くしゃみは、全身運動で、その威力はすさまじくて、
ぎっくり腰や、ぎっくり首、ろっ骨にヒビが入ってしまう人もいるぐらい。
ちなみに・・・、
くしゃみを我慢しようとして、鼻をつまみ口を閉じると、
空気の逃げ所がなくなるので、目玉が飛び出るだけでなく、のどの奥が破裂したり、
鼓膜が破れたりするなどの危険があるので、
くしゃみを無理に止めるのは、絶対にしないでください。