ラーメン屋のスープの話です。
依頼内容
私は京都でラーメンバルを運営しております。
今回は店で提供している鶏白湯スープのことで依頼をさせて頂きます。うちのお店ではオーダーが入ると、まとめて炊いて保存している鶏白湯スープを1人前ずつ温めて提供するのですが、1日に何回かスープが鍋の中で、「ドクッ!」とか「ボン!」と不気味な音を立てて爆発します。爆発すると、スープが鍋から飛び散り、運が悪ければ熱々のスープが腕に飛んできます。よく爆発する日もあれば、全く爆発しない日もあり、スタッフ一同、鶏白湯スープに翻弄される日々です。そこでお願いです。爆発の原因を突き止め、安心してスープを温められるようにしてください。よろしくお願いします。
調査開始
こちらが依頼のあったラーメン、
こちらはスープが入った鍋。
何回か温めると、溢れそうにはなるものの爆発はせず不発が多かった。
ここで、サイエンスショーや実験教室を主催している、
福岡亮治 先生(大阪成蹊大学 准教授)が登場。
先生は、お鍋に入っているお玉に注目し、
磁石を近づけると、くっついた。
鍋を温めるIHは、磁石につくものを使って熱する。
お玉はもともと加熱器具ではないが、そこに接触していると、温まる可能性はある。
ずっと、お玉を鍋の底にくっつけて固定していると、スープは爆発した。
本来、お玉なしならば、温かいスープは上に上がる。
温かい液体は、上に上がるので。
だから熱くなったら上に行き、冷たいのが下に行く。
しかし、お玉を入れた場合は、お玉があることで、水の流れが止まる。
温かいのが本来上に行こうとするのを押し込めるような状態で止められる。
ということは、温かいスープがずっとお玉の下にたまる。
これで、下だけが急激に熱くなる状況ができる。
温められた状態のところで、一気に水分が水蒸気に変わって、
1700倍になった時の力がお玉を飛ばす。