なぜパン屋でトングをカチカチするのか?という話がありました。
ふだん何気なく、パン屋さんでトングをカチカチさせている人をよく見かける。
これはなぜか?
これについて、堀田秀吾 先生(明治大学 法学部 教授)が説明していました。
理由は、脳のガス抜きがしたいから。
脳の中にたまった情報から、余分なものを抜いている。
人は考えごとをしすぎると、脳の情報処理が追いつかず、思考が固まってしまうことがある。
パンを選ぶ時も、あれこれ迷い、考えすぎてしまうと脳は、オーバーヒート状態になる。
それを助けるのが、トング・カチカチ。
トングをカチカチさせて、脳のガス抜きをする。
つまり、余計な情報を整理し、より効率的にパンを選んでいる。
このトングをカチカチするような行動は、
専門的には、「ドゥードリング」と呼ばれている。
他にも、勉強している時の「ペンまわし」や「貧乏ゆすり」、
「電話中の落書き」などがあり、一見意味のない行動のことだが、
いずれも作業を効率化できると言われている。
ここで実験。
「ひとつだけ違う漢字を探し出す」というイライラしそうな問題。
こうした課題を20問出題し、
何もせず、普通に取り組んだ場合と、
トングをカチカチさせながら取り組んだ場合で、
脳波に、どんな違いが出るのかを調べる。
注目するのは、2つの脳波。
シータ波(集中すると赤く表示される)
ベータ波(イライラすると赤く表示される)
課題に集中すると、シータ波が真っ赤に活性化すると同時に、
ベータ波も真っ赤になり、かなり、イライラを感じているのが分かる。
続いて、トングをカチカチさせながら、課題を解いていく。
シータ波は、先ほどと同じく赤く集中しているが、ベータ波は、全体が青く変化。
つまり、イライラが発散され、リラックスした状態になった。
これは、効率的に情報処理ができている、うまくガス抜きができている状態。
ちなみに、パン選びで、トングをカチカチさせない人は、迷わず買うものが決まっていることが多い。