宙に浮いたクリップは落ちない?:2355【2024/11/08】

ここに、白い磁石がついたブックエンドがある。


そこに、テーブルに固定した糸をくっつけたクリップを近づける。

磁石とクリップの間には、わずかな隙間がある。

この隙間に、何かものを入れると、クリップは、下に落ちてしまいそう。

ここに、スプーン、カッター、定規、文庫本がある。

このうち3つは、その隙間に入れても、クリップは落ちない。

まずは定規。

クリップは、落ちない。

次に、文庫本。

クリップは、落ちない。

次に、スプーン。

クリップは、落ちない。

最後に、カッターを近づけると・・・、

クリップは、落ちた。

糸で机につけられたクリップが浮いているのは、

磁石から生じる磁力が少し離れた所まで届いているため。

この磁石による磁力は様々な素材をすり抜けて、影響を及ぼす。

そのため、アクリル性の定規や文庫本を入れても、

磁力がすり抜けて働いているので、クリップは落ちなかった。

しかし、磁力がすり抜けられない素材がある。

それが、「強磁性体」と呼ばれる素材。

簡単に言うと、磁石に強くくっつく素材で、

磁力が通過せずに、素材の中を通る性質がある。

実はカッターは、先の4つの中で、唯一磁石にくっつく。

つまり、強磁性体。

なので、クリップと磁石の間にカッターを入れると、

磁石から出る磁力は、カッターの中を通ってしまう。

これで、クリップには磁力が届かなくなるので、落ちてしまった。

ちなみに、ご家庭にあるスプーンのほとんどは磁石につかない。

なので、このスプーンを間に入れても、クリップは下に落ちない。