大相撲の巴戦は公平か?という話がありました。
巴戦とは、3人の力士の成績が並んだ場合行われる優勝決定戦。
過去の、平成5年7月場所の曙・貴ノ花・若ノ花が有名。
くじを引いて対戦相手を決める。
まず、くじで選ばれた2人が対戦し、
勝った力士が残りの1人と対戦する。
この勝ち抜き戦を繰り返し、2連勝した力士が優勝となる。
3人の実力が互角で、それぞれ2分の1の確率で勝つと仮定すると、
「最初に土俵に上がらない控えの力士が少しだけ不利になる」という。
一体どういうことか?
無数にある勝敗の組み合わせを樹形図で表し、体系的に考える。
最初にAが勝った時の、もっとも早い決着は、Aの2連勝で、その確率は4分の1。
それ以外にもAが優勝する道はある。
例えば、初戦からの勝者がA→C→B→A→Aと推移した場合。
この確率は、2分の1を5回かけた32分の1。
さらに、勝負がもつれると図が延々と続く。
下段は、最初にBが勝った時の図。
ABCの優勝確率をそれぞれ、次のように表す。
Aの優勝確率を求めてみる。
上の段にあるAの優勝確率を足したものと、同じく下の段のもの。
実はこれ、どちらも、1つ前の8分の1倍ずつという等比数列の和になっている。
ここで、登場するのが、無限に続く等比数列を全て足した和の公式。
これに当てはめてみると、
上の段が7分の2、下の段が14分の1となる。
つまり、Aの優勝確率は、その2つを足した、14分の5となる。
さらに、AとBは対象の関係なので、Bの優勝確率も同じく14分の5。
つまり、Cの優勝確率は14分の4となるので、
A・Bと比べて少し不利となる。