大相撲の巴戦は公平か?:3か月でマスターする数学【2024/09/04】

大相撲の巴戦は公平か?という話がありました。

巴戦とは、3人の力士の成績が並んだ場合行われる優勝決定戦。

過去の、平成5年7月場所の曙・貴ノ花・若ノ花が有名。

くじを引いて対戦相手を決める。

まず、くじで選ばれた2人が対戦し、

勝った力士が残りの1人と対戦する。


この勝ち抜き戦を繰り返し、2連勝した力士が優勝となる。

3人の実力が互角で、それぞれ2分の1の確率で勝つと仮定すると、

「最初に土俵に上がらない控えの力士が少しだけ不利になる」という。

一体どういうことか?

無数にある勝敗の組み合わせを樹形図で表し、体系的に考える。

最初にAが勝った時の、もっとも早い決着は、Aの2連勝で、その確率は4分の1。

それ以外にもAが優勝する道はある。

例えば、初戦からの勝者がA→C→B→A→Aと推移した場合。

この確率は、2分の1を5回かけた32分の1。

さらに、勝負がもつれると図が延々と続く。

下段は、最初にBが勝った時の図。

ABCの優勝確率をそれぞれ、次のように表す。

Aの優勝確率を求めてみる。

上の段にあるAの優勝確率を足したものと、同じく下の段のもの。

実はこれ、どちらも、1つ前の8分の1倍ずつという等比数列の和になっている。

ここで、登場するのが、無限に続く等比数列を全て足した和の公式。

これに当てはめてみると、

上の段が7分の2、下の段が14分の1となる。

つまり、Aの優勝確率は、その2つを足した、14分の5となる。

さらに、AとBは対象の関係なので、Bの優勝確率も同じく14分の5。

つまり、Cの優勝確率は14分の4となるので、

A・Bと比べて少し不利となる。