実は空気に押されている:2355【2025/04/25】

ここに、「カッターマット」と「取っ手」がある。


カッターマットには、2つの穴が空いている。

そこに、取っ手の穴を合わせて、ネジで2つを固定する。

これで、カッターマットに取っ手が付いた。

この取っ手をつかんで、カッターマットを持ち上げようとすると、

思い切って引っ張っても、持ち上がらない。

では、横から両手で持ち上げてみると・・・、

簡単に持ち上がった。

しかし、取っ手をつかむと持ち上がらない。

カッターマットの裏を見ても、

先ほどのネジがあるだけで、特に細工はない。

今度は、座っている椅子にカッターマットをペタっとつけて、

そのまま引っ張ると、椅子が持ち上がった。

これは、一体、何が起こっているのか?

実は、私たちの周りにある空気にも重さがあり、
その重さによる圧力が働いている。

これを大気圧という。

例えば、1平方センチメートルの上に載っている空気は、約1kg。

なので、このカッターマットの上には、少なくとも、約260kgもの空気が載っており、

この重さで、カッターマットは押されている。

これを持ち上げるには、実は大変な力が必要だった。

では、なぜ、横からはすんなりと、持ち上げることができたのか?

大気圧は、上から下だけではなく、あらゆる方向に働いている。

横から両手でカッターマットを持ち上げた時には、

カッターマットが湾曲し、僅かな隙間から空気が入り込んだ途端に、下からも大気圧が働くため、簡単に持ち上げることができた。

今度は、目の前に、水入りのペットボトルが3本入った箱がある。

その重さは6kg以上はあるので、けっこう重たい。

その箱の側面に、カッターマットをペタッと押し付けて、そのまま引っ張ると、箱が動いた。

こんなに重たいものでも、ピタッとくっつけて動かすことができる。

このような大気圧は、横方向にも働いている。