金って何?:チコちゃんに叱られる!【2025/05/30】

金って何?という話がありました。

これについて、貴金属の成り立ちの研究をしている、
和南城伸 先生(東北大学 大学院理学研究科 特任教授)が説明していました。

金は金山など、地中から採掘されることが多いと言われているが、
実は、地球の中で作られたわけではない。

人類が金の採掘を始めたのは、約6000年前。

これまで、地球全体で採れた金の量は、約21万3000トン。

これは、50mプールで言うと、わずか約4杯分。

ちなみに、これから人類が採掘できる金は、約プール1杯分しかないと言われている。

非常に貴重な金属である金だが、この広い宇宙で、ある星と星がぶつかって、
合体する時に生まれたと考えられている。
それは、宇宙の中で滅多に起きない奇跡の現象。

宇宙に存在する星には、太陽のように自ら光る「恒星」がある。
恒星の中には、寿命が近づくと膨らみ始め、
超大型の「赤色超巨星」に変化するものがある。

例えば、オリオン座の左上にある赤く光る星「ベテルギウス」。
これも赤色超巨星のひとつ。

赤色超巨星は、寿命を迎えると、最後に大爆発を起こす。
すると、新たな星「中性子星」が姿を現す。
この中性子星こそが、金を生み出す大事な要素。

中性子星とは、主に、「中性子」と呼ばれる粒子が集まって出来たもので、
とても密度が高く重たい星。

例えば、中性子星から、サッカーボール1個分の大きさを切り出すと、
その重さは、富士山と同じくらいの重さになってしまう、
超高密度の重たい星。

星の爆発によって誕生する中性子星。

2つの中性子星が回転しながら近づき、合体。
ぶつかり合う凄まじい衝撃で、大量の中性子が宇宙空間で渦状に飛び散る。
この時、渦の中では、中性子が結合を始め、核融合が起きる。
中性子30個が一瞬にして結合し、鉄の元素が作られ、
61個で、銀に変化、そして、118個が結合すると、金が生まれる。

この宇宙に、飛び散った金が、宇宙に漂うガスや塵と混ざり合いながら、
金を含んだ小さな塊になり、地球のような星ができるので、
地球の内部に金が存在している。

地球に存在する金の量は、推定で約960兆トン。
しかし、人類が現状で採掘できる金は、
地球の表面に近い部分にある、わずか6万4000トンだけだと言われている。