車の居眠り運転の事故が多い
高速道路調査委員会によると、
・高速道路では年間2万件を超える事故が発生。
・そのほぼ「半数」が「居眠り運転」が大きな要因となる「前方不注意」。
警察庁発表によると、
・「死亡事故」の原因となる「法令違反」は「居眠り運転」が一番多いというデータもある。
眠気検知システム携帯アプリ
そんな居眠り運転の事故を少しでもなくすために、
京大、熊本大、NTTドコモ、NTTデータMSEが共同で、「眠気検知システム携帯アプリ」というものを開発しているそうです。
「眠気検知システム携帯アプリ」とは?
ドライバーの「眠気」を検知してスマホに通知するサービス。
開発者「【心拍の変化】を見て、眠気がきているのではないかとを判断する。以前から【てんかん発作】を予知する技術を開発していたが、その技術を応用する形で今回新しく【居眠り運転】を検知するという技術を開発しました。」
NTTと東レが実用化した「hitoe」ウェア。裏地には薄い電極がついています。
表にはこんな感じの装置がついています。
これを着るだけで、心拍や心電波形などの生体情報を連続計測できます。
このウェアの上に、ワイシャツやジャケットを着るのもOKです。
運転シミュレーターで検証
このhitoeウェアを身につけて、「運転シミュレーター」を使って実験していきます。
開発者「これは夜の高速道路をぐるぐる回る設定になっていて、できるだけこれで眠くなっていただきたい。」
夜間静かで単調な高速道路、長時間運転するドライバーが眠気を催すと、心拍に微妙な変化が起こります。
「眠りに陥る直前の兆候」をウェアの電極が探知します。
すると、スマホのアプリに「起きてください!」と、通知が来ました。
開発者「(グラフの)黄色いラインがどんどん上昇していまして、ある設定をした値を超えたのでアラームが鳴りました、たぶんその時少しボーッとされていたのかなと」
心拍はウソをつけない
既に販売されている車に搭載されている機能で、「まぶたの開閉時間」や「急なハンドルさばき」を検知するシステムはありますが、これだと運転者が痩せ我慢したり、人によって個人差があります。
しかし、副交感神経は自分で制御できないので、ウソがつけず機械を騙せない、眠い時には必ずあるパターンが出てくるので、それをキャッチする。
運転者以外にも通知できる
警告音によって、ドライバーは休憩のタイミングを作り出せる他、会社の上司など管理者にもメールで通知することができます。
開発者「バス、トラックの運転の方に関して、できるだけドライバーに負担のかからないような計画を立てるように役立てていきたい」
実証実験も開始
既に実証実験も開始しているそうです。
・5月10日から実際の運送業者の協力を得て、運転中のドライバーの心拍データを取得。
・3か月にわたって、「眠気を検知する機能」などをチェック。
この眠気検知システムは、早ければ今年度内にも実用化されるようです。
感想
居眠り運転防止だけでなく、運転者を雇っている会社にもその状況が把握できるというのはよい仕組みですね。
その他にも、運転中に急な発作などが起こった場合などにも、心拍が変動すれば、知らせることに役立てられそうな気がします。