東国原先生のしくじり先生の話がおもしろかったので、一部抜粋してみました。
フライデー襲撃事件
事件は、たけし軍団結成から3年後の1986年12月8日、に起こった。
夜11時過ぎ、そのまんま東がご飯を食べていると、突然ビートたけしから電話がかかってきた。
「フライデーに殴り込みに行くぞ!」
襲撃までの経緯
(たけしが)お気に入りのおねえちゃんがケガをして泣きながら帰宅
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(たけしが)講談社に直接電話して抗議
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話がまとまらず余計に激怒
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たけし軍団を集めて事情を説明
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フライデーに電話して襲撃を予告
電話でコマネチ
たけしが電話すると、知らない係の人に電話がつながり、
「フライデーか?ビートだけしだ」というと、
「ビートたけし?なんだそりゃ?」と、イタズラ電話だと受け取られた。
そして、「証拠を見せろ!」と言われ、
電話の受話器の前で、「コマネチ!コマネチ!」っと言ったところ、姿は見えていないのに、信じてもらえた。
東国原が殴りこみに行くのが嫌な理由
東国原は殴りこみに行くのが嫌だった。その理由は3つあった。
・12月、1月はかき入れ時
仕事のスケジュールがびっしりつまっていたこの時、殴りこみに行ったらそれが全部飛んでしまう。
・軍団だけの番組企画
この時、軍団だけの番組が企画されていて、それを東国原とたけしと事務所しか知らなかった。
12月の末に軍団だけで番組やって、春からレギュラー化という話だった。
たけしのバーターの仕事から独り立ちのチャンスでもあった。
・小説を書きたかった
小説を読むのが好きで、書きたかった。推理小説を書いて将来賞が欲しかった。
「江戸川乱歩賞」という1955年から続く文学賞、推理小説界の名門。
これを後援しているのが、なんと講談社だったのだ。
「フライデーに行く」→「講談社に殴りこみ」→「江戸川乱歩賞なんて一生取れない」
襲撃に参加したメンバー
どげんかして逃げんといかんと思ったそのまんま東。
中には欠席したメンバーもいた。
フライデー襲撃メンバー | 欠席者 |
---|---|
ビートたけし | ラッシャー板前 |
そのまんま東 | つまみ枝豆 |
大森うたえもん | 井手らっきょ |
ガダルカナル・タカ | |
松尾伴内 | |
ダンカン | |
グレート義太夫 | |
柳ユーレイ | |
大阪百万円 | |
キドカラー大道 | |
サード長嶋 | |
19歳の少年 |
逃亡作戦その1「タクシー牛歩作戦」
講談社までロケバスで一括して行くという話もあったが、
12人いるので、タクシー3台で分乗して4名ずつ行くというアイデアを出した。
1台目にビートたけし、2台目にガダルカナル・タカ、3台目にそのまんま東 という順番に行った。
ここで3台目のしんがりで10分くらい間を置いていけば、先に行った人間たちが既に殴りこみに行っていると思った。
そして3台目が到着すると、講談社の前で寒空の下1台目、2台目のみんなが待っていてくれた。
ここで軍団のチームワークが出てしまう
逃亡作戦その2「エレベーター重量オーバー作戦」
講談社のビルに12名そろって入っていくと、フライデー編集部のある5階へ向かおうとすると、
エレベーターが、1基しかない。
ここで逃げなければ、もう逃げるチャンスはありません。
エレベーターは9名乗り、最大積載量が600kg。
12名の中に軍団にはこの男がいました。体重120kgの「グレート義太夫」。
この時、そのまんま東にとっては「神」です。
2、3人は乗り切れないだろうなと思っていたら、そのまんま東以外全員乗れてしまった。
ビートたけし「東乗れよ!」
そのまんま東「もう乗れません、重量オーバーで動きませんよ」
ビートたけし「乗ってみなきゃ、わかんねぇじゃねぇか」
いざ、エレベーターに乗ってみるとブザーはならず、扉が閉まった。
そして、目的の5階につくと、一番最後に乗ったそのまんま東が、自然と先頭になって襲撃がスタートしてしまった。
エレベーターは気が利かない!
襲撃スタート
傘を持つ、消火器持つ、消火器振り回す、消火器をまいて真っ白。
傘で殴るのは「殺人行為」にあたる。すでに「くの字」に曲がっている。
こんなのが証拠になったら、殺人未遂になる。
ということで、証拠隠滅を図ろうとして、隅の方で傘を元通りに真っ直ぐにしていた。
そして、まっすぐになったなと確認するために構えたところで(銃を構えるような感じ)、運悪く写真を撮られてしまった。
警察の登場
襲撃が始まって、しらばくすると、そこまで!っと警察手帳を持った刑事が乗り込んで来ました。
その結果、乗り込んだメンバーは、12月9日午前3時20分、現行犯逮捕。
その時、ビートたけしは、「悪いけどこいつらに手錠はやめてくれないか」と言った。
もうこれ以上暴れることはないし、証拠隠滅することもない、逃亡の恐れもない。
刑事も黙って手錠をしまい連行していく。
エレベーターで1階へ降りる時、そのまんま東は、ビートたけしの真後ろに立っていた。
ビートたけしの言った声がエレベーターの壁を反射して、そのまんま東には聞こえた。
「すまねぇな。俺みたいなやつに付き合ってくれて。お前らは俺が一生面倒見るから。」
と言った。
もう一つ連行される時に言った言葉がある。
「こんな事件がよ、いつか笑い話として話せたらいいよな」
と言った。
まさに、今です!
警察で取り調べを受ける際に、
「そのまんま東」こと「東国原英夫」と本名を呼ばれて、とんでもない事件を起こしたと実感した。
フライデー襲撃事件の結末
ビートたけし:傷害罪、懲役6か月執行猶予2年、謹慎7か月。
そのまんま東、その他の軍団メンバー:起訴猶予処分、謹慎4か月。