世界のエレベーター業界が「注目する世界一高いビル」が、2020年に「サウジアラビアのジッダ」で完成する予定です。
正式な高さは決まっていませんが、少なくとも「1000mは超える」ということです。
このジッダタワーでは、これまで「不可能」と言われた技術を「可能にする技術力」が求められた。
実は、エレベーターは、建物が高くなると、「ある部品に限界がくる」と言われていたんです。
それは、「ロープの重量」なんです。
エレベーターのかごを上げたり下げたりするわけですが、
それが1000m級の高さになると、さらにロープを長くしなければならない、しかもロープは「鋼鉄製」。
昇ったり降りたりする距離が長くなるにつれて、「ロープ自体の重さ」が重くなってきます。
ちなみに、ロープの長さが500mで約20t(トン)にもなる。
巻き上げ機で支えているわけですから、これ以上の重さになってしまうと、それによって建物に負担がかかってしまう。
だから、ロープの長さの限界は、これまで500mと言われてきました。
そのため、エレベーターが一度に昇ることができる距離も、ロープと同様に500mが限界。
ですから、500mよりさらに高い建物に関しては、途中でエレベーターを乗り換えるしかなかった。
そこで、ロープの強度をもっと強めて、だけど、軽くしなければ500mを超えるエレベーターは造れない。
新発想のロープ
フィンランドのエレベーター会社「コネ」が製作した新発想のロープは、大幅な軽量化に成功したそうです。
「コネ ウルトラロープ」
これまでのロープは金属製だったが、「炭素繊維」、カーボンファイバーで作ったベルトを透明な樹脂で固めたベルト式のロープ。
なんと、重さは従来より8割軽くなる。
このロープのおかげで、1000mの直通エレベーターが可能になった。
エレベーターの速さでは、負けなかった日本のメーカーも、高さの競争では、ちょっと一歩先を行かれてしまったというところです。