亜鉛とビスマスを衝突させてできる113番目の元素「ニホニウム」の発見

中学の教科書の最後のページを見ると、元素の周期表が並んでいます。

そして、この「112番」と「114番」の間が空いていたのですが、

日本が発見して名づけられた「Nh(ニホニウム)」が「113番目の元素」として、加えられる見通しとなりました。

今後は、世界中の教科書で、元素の一覧にニホニウムの名が書き加えられることになります。

発見したチームリーダー、”もりたん”こと、理化学研究所グループディレクター 森田浩介 九州大学教授。

ニホニウムと命名した理由を聞いてみると?

森田さん「国民の皆さんの税金で、我々は研究を行ってるわけです。
国民の皆さんに支えられているということをその名前にして表したかった。
『日本』という名前をそこにつけたかったというのが、我々の想いです。 」

ちなみに、元素とは、これ以上分けられない物質のことで、
現在元素は118種類見つかっているが、その1つ113番元素を森田さんたちのチームが人工的に作り出すことに成功。
名前を付けてよいと、国際機関(国際純正・応用化学連合)から認められた。
これまで、元素の発見はロシアを含む欧米諸国の独壇場で、アジアとしては初めての快挙。
今後5か月間広く意見を聞いて問題がなければ、113番元素の名前が「ニホニウム」に決まる。

森田さん「中学生になったら例えば、(理科の)教科書の後ろの方に周期表というのがありまして、H(水素)、He(ヘリウム)、Li(リチウム)、Be(ベリリウム)・・・として覚えるわけです。
その中に日本グループが発見した元素があるんだということを知ってくれれば、理科や化学に興味を持ってくれる子が少しでも増えてくれるんじゃないかという期待をしています。」

ただ、この113番元素。
約600日かけて、3個しか作れず、作ってもわずか0.002秒で崩壊してしまう、非常に扱いにくい元素。
今後数百年は日常生活に役立つことはないだろうといわれている。

ニホニウムの詳細

Nh(ニホニウム)は、Zn(亜鉛)を加速して、Bi(ビスマス)という物質にぶつけることで、できた物質である。

・元素番号30(亜鉛)+元素番号83(ビスマス) = 元素番号113(ニホニウム) 。
・亜鉛とビスマスをすごいスピードで衝突させないといけないので、それが難しい。
・仮にぶつけたとしてもスピードが速すぎると、壊れてしまう。うまく合体させなければいけない。
・生まれて存在している時間が、0.002秒しかない。

「ぶつける」+「合体させる」+「観測できる」という3つの全ての技術が揃わないと、元素番号113(ニホニウム) が発見できなかったという。

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