スーパーマーケットの商品の配色
様々な食品が並ぶスーパーマーケット、その売場にはある法則が隠されている
・牛乳
いろんなメーカーのものが並んでいるが、ほとんどのパッケージが「白」と「青」。
これは単なる偶然ではなく、企業戦略である。
実は青と白を隣り合わせると、人はその白が黄色く見える習性がある。
これは、「補色残像」という現象で、青の反対の色、黄色やオレンジが網膜に残像として残り、白が少し黄色く見えるという。
つまり、乳製品で白と青を組み合わせるのは、白をクリーミーに見せるため。
色の法則を利用した販売テクニックだった。
・豚肉
この2つの豚肉、一見すると左側が高級そうに見えるが、実はどちらも同じ豚肉。ただトレイが違うだけ。
これも色に生じる人の思い込みを利用したもの。
「黒」と「金」は、高級漆器の蒔絵や黒留袖に施されるなど、豪華さや華やかさの象徴。
さらに、パセリを添えることで、「緑」の反対色である「赤」をより鮮やかに見せる。
これも色を使った戦略だった。
・温熱グッズ、冷却グッズ
体を温める温熱グッズは「赤」
熱を冷ます冷却グッズは「青」
これも計算された色使い。
アメリカでこんな実験がありました。
全面が赤い部屋と青い部屋を用意、そこに目隠しをした被験者を入れると、赤い部屋ではほぼ全員の体温や血圧が上昇、逆に青い部屋では数値が下がるという結果になったという。
人は色を目だけではなく、肌でも感じとっていたのだ。
一説によると、赤と青の違いで、体感温度が3度も違うという。
色の影響を受けている
何かを買いに行こうと思った時に、少なくとも何種類か並んでいる中で、なぜその商品を手に取るのかというのは、実は色に影響を受けている。
色というのは、私たちの心を動かしている。
日本人が安心する「赤」と「白」
赤と白といえば、「日の丸」。このシンプルな色の組み合わせは日本人にとって最も馴染み深いもの。
運動会の白組赤組、神社の建物や、そこに仕える巫女の装束もこの配色が元になっている。
日本人は無意識に親しみや安心感を抱く。
・カップヌードル
赤と白で安心感を与え、金色の帯で商品に高級感を加えている。
国よって色を変えている。ブラジルなどの赤道に近い国ほど原色が好まれる。強い日光が真上から注がれるため、原色の方が鮮やかできれいに見える。
・キューピーマヨネーズ
白地に赤の網目で親しみやすさを感じられるようになっている。
ただこの赤はただの赤ではない。やや「黄色がかった赤」。
二つを比べてみると、こんなにも違いのある赤。
マヨネーズの色を引きたて、食欲をそそるようにしている。
「黄色」と「黒」の警戒色
工事現場や踏切など、街のいたるところで、目にする「黄色」と「黒」。
JIS規格でもこの2つの色は、「注意を喚起する配色」として定められている。
それほどに最も目立つ組み合わせである。
・カロリーメイト
黄色と黒の斬新なパッケージは人々の注目を集めた。
注目すべきは、ロゴの下の文字、一見オレンジに見えるがこれは赤色である。
オレンジは食欲をそそる色だが、黄色の上に載せるとぼやけてしまう。
そこで文字を赤にすることで、食欲をそそるオレンジ色っぽく浮かび上がらせている。
・みかんの網
赤色の網に入っているみかんも同じ理由。
より甘く熟したようにみせるテクニック。
人をいやす静寂の「青」
オレンジ色に染まる風景には暖かみがある、それを青色にするだけで、全く同じ写真でもその印象は涼しさや爽快感に変わる。
さらにその青を深めると、静寂をイメージさせる効果が強まる。
・バファリン
1963年の発売当初からほとんどパッケージの色が変わらないバファリン
落ち着いた紺色で静寂をイメージさせ、解熱や鎮痛作用を強調する色合いになっている。
赤は痛みや熱をイメージさせる色、それを静寂の青で包み込み症状を押さえるという薬の効能を示していた。
効率を上げる「白」
白の持つ色の効果を調べるため、アメリカでこんな実験が行われた。
白と黒の大きさと重さが同じ箱、どちらが重く感じるか調査した。
すると、被験者は黒い箱の方が、白い箱よりおよそ2倍も重いと感じたという結果になった。
・アート引越しセンター
ダンボール、服だけでなく、帽子から靴まで白色。
清潔感だけでなく、作業効率も上げる工夫をしている。
バリエーションを一つに
・ユニクロ
商品のカラーバリエーションを増やしそれをあえてひと塊にして陳列することで、それぞれの色が互いに引き立て合い、より魅力的な商品に見えるという効果がある。
感想
すごく色の勉強になったけど、今週はもしかして宣伝かバーターか?