台湾と中国がサンマの爆獲りで日本のサンマの値段が高騰:ビビット【2016/09/07】

日本のサンマの価格が高騰している

秋の名物サンマ、このサンマの価格がスーパーで1尾が 98円 から 298円 と値上がりしています。

これは、中国と台湾の漁船がサンマを爆獲りしていて、サンマの漁獲量が減っているからだそうです。

↓ある日の公海を見てみると、このような50隻近くの中国と台湾の大型漁船が集まっていました。

夜になると、サンマをおびき寄せる赤いライトで真っ赤に。

日本と中国・台湾の船の違い

・中国・台湾の船は日本の船の10倍も大きく、これがサンマの爆獲りを可能にしている。
・日本の漁船はサンマを取ったら港に戻るのに対し、中国・台湾の船は春から冬まで同じ海域にとどまりずっと漁を続ける。
これは、獲れたサンマを船で冷凍して、運搬船でピストン輸送されるので漁を中断する必要がない。
・日本が稚魚や幼魚をとらず成魚だけ獲るのに対して、中国・台湾漁船は、まだ小さなサンマまでまとめて取ってしまう。
・日本は、船名や船籍を表示しているのに対して、中国・台湾漁船は付けていない船がある。

台湾でサンマがブーム

台湾ではここ数年、空前のサンマブームが起こっています。

日本では安くても1匹100円はするサンマ、台湾ではわずか30円ほどと安いこともあって、とぶように売れている。

サンマの素揚げや、

お弁当のおかず や、

焼いたサンマをパンに挟んだ「サンマドッグ」まで。

小麦粉にニラを練り込んだ皮に、キュウリ・白ネギ・焼いたサンマをのせ、甘みそで味付けした「サンマクレープ」。
→甘みその香りとサンマの香ばしさがマッチしているそうです。

台湾で大人気の「サンマバーガー」。
→甘みそとマヨネーズで味付けされていて、サンマの生臭さが消されておいしいらしいです

この他にも、「サンマのトマトリゾット」「サンマのサンドイッチ」

「トマトソースパスタサンマ和え」「サンマチャーハン」なども。

「焼き魚」が流行りだした

20年ほど前まで、中華料理で魚といえば、「煮る」「蒸す」「揚げる」しか調理法がなかったが、日本の文化が入ってきて、近年「焼き魚」の味を覚えたそうです。

サンマの漁獲量

サンマの漁獲量は、日本では2008年まで増加傾向にありましたが、2013年台湾がトップとなった。中国も近年では増えている。

爆獲りは取り締まれないのか?

赤道近くで産卵して生まれたサンマは、公海を2周ほどして一生を終えます。
日本は日本近海に来た時にサンマを獲っていましたが、その手前のエリアで、台湾や中国に爆獲りされているということ。
このエリアは、日本の排他的経済水域の外、つまりどの国でも自由に漁業のできる「公海」なので、日本では取り締まることができない。

日本・中国・台湾・韓国・ロシア・カナダが所属している「北太平洋漁業委員会」では、公海に生息するサンマなどを保護するため、漁獲量の上限や漁船の数を規制する協議を持ちかけているが、それぞれの国の思惑があり協議は難航している。