昭和時代に、駄菓子屋で売られていたこともある「ゴムパチンコ」。
そのゴムパチンコが犯罪に使われた可能性があります。
それは、高性能ゴムパチンコ「スリングショット」。
ゴムで飛ばすという仕組みは同じでも、性能がケタ違いです。
東京八王子で起きた事件では、実際に60m先を走行していたバスの「厚さ4ミリの強化ガラス」を金属玉が貫通して粉々になりました。
付近でガッツポーズをしていた少年18,9歳の少年2人が防犯カメラに映っていたことから、少年らを「威力業務妨害」と「器物損壊」などの疑いで逮捕しました。
少年らは「何かに当てる実感が欲しかった」と容疑を認めています。
スリングショットの威力の実験
・ベニヤ板
事件と同じ60m先の距離に、ベニヤ板を置いてスリングショットで金属球を命中させると、貫通しました。
・アルミ缶
中身の入ったアルミ缶で試してみると、貫通しました。(これは距離は60mよりも短めで、コンクリートを後ろに置いていた状態)
・コンクリート
コンクリートに当ててみると、さすがに貫通はしないものの、少し削れました。
スリングショットの威力を数値化
・玉のスピード
大人の男性がスリングショットで玉を飛ばした時のスピードを計ると、「42.24m/秒」、時速に換算すると、152km/hにもなります。
・エネルギー量
玉の速度や重量などから、銃器の専門家にスリングショットの威力を算出してもらうと、エネルギー量は13J(ジュール)。
このスリングショットのエネルギー量は、改造した違法エアガンの十倍以上の威力になります。
これは人に対して撃つのは危険な数値で、当たり所によっては非常に大きなけがをする可能性があるといいます。
必要なルール作り
スリングショットは、ネット上で、価格が数千円程度で購入できてしまうため、販売方法や所持や使い方について、きちんとしたルール作りが必要になるということです。
銃刀法では取締りの対象にはなりませんが、正当な理由なくカバンに隠し持っていた場合などは、軽犯罪法で検挙される可能性があるといいます。