大阪国際空港(伊丹空港)のターミナルを歩いていくと、伊丹市(兵庫県)・豊中市(大阪府)・池田市(大阪府)の3市の土地の境を10回もまたぐことがあります。
空港があるこの土地は、↓このように3市が入り乱れているからです。
では、なぜこのように3市が入り乱れる形となったのでしょうか?
その原因は、豊臣秀吉の時代の「太閤検地」にあるといいます。
太閤検地とは?
豊臣秀吉が村ごとの年貢高や負担者を正確に把握するため全国規模で行った検地。
検地の際、「所在地」ではなく、年貢を支払う「所有者」が優先されたため飛び地が発生。
その後、村の合併や廃藩置県のタイミングで飛び地は徐々に解消していく。
1947年 敗戦後、米軍基地の伊丹ベースとして使用される。
1957年 日本に返還され大阪空港となる。
1967年 3年後に開催される大阪万博を見越して、大型ジェット機を就航させるため、滑走路とターミナルビルを建設。
当時から、飛行機の騒音が問題となっていたが、とうとう墜落事故が発生し、地域住民からの苦情が発生。
その後「国有資産等所在市町村交付金法」が制定され、空港の場合は地域住民に対する騒音問題の解決のため交付された。
国有資産等所在市町村交付金法とは?
国有資産のうち、使用の実態が民間のものと類似しているものに対して、地方自治体に交付金を支払う法律。
この交付金は「土地の面積」で決まります。
そこで、3市は昔の地図を持ち寄り、細かく境界線を引いたというわけです。