辞書の作り方を紹介していました。
新しく載せる言葉の決め方
初代 金田一京助の辞書作りを色濃く受け継ぐ「三省堂」。
辞書の編纂作業を見てみると、お店のポスターや雑誌などから新しい言葉を日々チェックしている。
日々の言葉集め = 金田一京助の教え
例えば、今回の候補にあがったのは以下の7つ。
「あち」「還暦会」「神る」「バーデ」「アクティビスト」「天気痛」「天使のはしご」
この候補の決め方は?
1.辞書に載っていないこと
2.実際の生活で出会う言葉であること
3.10年経っても使われていること
例えば「神る」が候補に残った理由は、
今まで「神ってる」という形でしか使われなかったのが、「神った」という過去形にもなったように、使われ方が拡大してきた。
生活の中で出会い、言葉が広がっていることを感じ、10年後も残る可能性を感じたからだという。
語釈
語釈 とは 言葉の意味。
例えば、「愛」の語釈は、
対象をかけがえのないものと認めそれに引き付けられる心の動き
「神る」の語釈(仮) は?
しかし、語釈をあまり多く書きすぎても、言葉の実体から離れることになる。
今は書きすぎている状態なので、ここからさらに削っていくことになります。
改訂するたびに書き換え
語釈は辞書を改訂する度に書き換える必要がある。
例えば、「センター」という言葉。
中心の意味や野球の位置などで使われていますが、今回の改訂ではアイドルのセンターという意味を追加する予定があり、時代とともに変化します。
簡単な言葉の語釈
↓例えば、簡単な言葉「右」の語釈は、
1.北を向いたとき、東にあたる方角。
2.この辞書を開いて読む時、偶数ページのある側を言う。
↓「間」の語釈は、
1.直接続かない二つの点(物)の非連続部分。
2.問題や関係などの有る双方に属さないもの。
このように、易しい言葉は説明すると逆に難しくなることがある。
辞書の選び方
一般の人は、辞書の一番最初の方に出てくる「愛」の語釈で、辞書の良し悪しを判断する。
しかし、辞書屋などプロは、「間」の語釈に新しいものが追加されていないかなどを見て、辞書の良し悪しを判断する。
辞書によって語釈が違う
例えば、「恋愛(れんあい)」の語釈の違い
↓岩波国語辞典 第七版 新版(2011年)
男女間の恋いしたう愛情。
↓新明解 国語辞典 第四版(1989年)
特定の異性に特別の愛情をいだいて、二人だけで一緒に居たい、出来るなら合体したいという気持ちを持ちながら、それが、常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる(まれに かなえられて歓喜する)状態。
↓新明解 国語辞典 第七版(2012年)
特定の異性に対して他の全てを犠牲にしても悔い無いと思い込むような愛情をいだき、常に相手のことを思っては、二人だけでいたい、二人だけの世界を分かち合いたいと願い、それがかなえられたと言っては喜び、ちょっとでも疑念が生じれば、不安になるといった状態に身をおくこと。
辞書によっては、同じ言葉でも語釈にこんなにも違いが出るんですね。