自己破産者増!銀行カードローンによる過剰融資のカラクリ:クローズアップ現代【2017/04/12】

銀行のカードローンで返済能力を超える借金を背負ってしまう人が増えているそうです。


銀行カードローンの利用目的

娯楽・交際費 48.3%
生活費 42.3%
車関連費 18.2%
旅行費 12.7%
トラブル対応費 事故・入院 12.6%
他の金融機関への支払い 10.6%
教育費 10.0%

銀行の過剰融資

・銀行のカードローンによって多重債務に陥る、返済困難に陥る人が増えてきている。
・年収の3倍の金額を貸し出すという過剰融資が増えてきている。

貸し出しの例:
年収226万円の人に960万円 を貸出
無収入の人に170万円を貸出
年収220万円の人に500万円を貸出

銀行カードローンビジネスは、多くの場合、銀行単体ではなく消費者金融と契約をしてタッグを組んでいます。

消費者金融は利用者にどれだけ貸せるかを審査、銀行はそのノウハウを消費者金融に頼っているといいます。

審査を請け負う消費者金融は、もし利用者が返済不能になった場合、銀行の損失分を全額補償します。

そのため、銀行は一切のリスクなく貸し出せる仕組みなのです。

一方、消費者金融も銀行から多額の手数料を受け取れるため、例え一部の利用者が返済不能になっても全体として儲けは維持できるといいます。

銀行には総量規制なし

10年ほど前に起きた消費者金融問題。

当時、消費者金融によるサラ金3K(高金利・過剰融資・過剰なとりたて)が社会問題となり、2006年には貸金業法が改正され、2010年には、利用者の年収の3分の1を超える融資を禁じる総量規制」などが導入されました。

この時に問題視されたのは、消費者金融だったため、銀行に規制をかけられることはありませんでした。その後、法律の狙い通り、消費者金融からの貸出は減っていきます。

一方、銀行カードローンは膨れ上がって、2015年には消費者金融からの貸出を上回りました。

そして、去年(2016年)、13年間減り続けてきた自己破産者の数が再び増加しました。

この背景には銀行カードローンの急拡大があると指摘する声もあります。

銀行カードローンの落とし穴

低い金利

銀行カードローンを利用する場合は金利の高さを理解しておかないといけません。

金利が「年3% 〜 」と書かれているのをよく見かけます。

しかし、これは「多額を借りる」「すぐに返済する」という特別なケースの場合で、通常の金利は10%を超えるといいます。

リボルビング払い

リボルビング払いは、いくら借りたとしても、返済するのは毎月同じ、定額方式です。

例えば50万円借りて、金利14%で、月1万円の返済とすると、6年間で金利を約25万円も支払わないといけません。

さらに、返済中にも、別のところから借金をして、気づいたら雪だるま式に増えているというケースもあります。

超低金利政策

マイナス金利に象徴される超低金利政策。

銀行の収入の1つの柱だった「国債の運用」は利回りの低下で大きく落ち込んでいます。また「企業への融資」も資金の需要が低迷している上、金利が低く利鞘がほとんど稼げません。

その結果、多くの業種で貸出残高が伸び悩んでいる一方で、カードローンが急拡大しています。