新しい不妊治療があるという話です。
不妊とは?
妊娠を望む健康な男女が避妊をせずに性交しているのに一定期間妊娠しないというもの。
この一定期間については、これまで2年といわれてきましたが、最近は1年が一般的とされるようになりました。
このように不妊の定義が変わってきたので、不妊のカップルが10組に1組 だったのが 6組に1組と増えました。
日本は世界でも極めて多く2014年では、赤ちゃんの21人に1人が体外受精で生まれていることになります。
体外受精とは?
卵巣から卵子を採取して外で精子と受精させてその受精卵を支給へ戻すというもの。
費用は1回あたり約50〜60万円(保険適用外・自治体により助成金も)
体外受精の成功率
アメリカでの体外受精の成功率を表した↓こちらのグラフ。
黒色の線は、母親自身の卵子を使った体外受精の成功率。年齢と共に下がっているのがわかります。
それに対して、赤色の線は、他の人の健康な卵子とお父さんの精子を受精させてお母さんの体の中に戻すという体外受精の成功率。
この赤色の線の場合、母親の年齢が高くても確率は下がっていないので、卵子の健康さが大事だということがわかります。
この結果、卵子の質を良くすれば良いのではないかということになりました。
ミトコンドリア移植
そこで登場したのが「ミトコンドリア移植」。
ミトコンドリア移植とは?
ミトコンドリアはそれぞれの細胞の中にある小器官でエネルギーを生み出す発電所的な存在。
卵巣の表面には元気な細胞があり、そこからミトコンドリアを取り出し卵子に移植するというもの。
この移植をすれば、母親自身の卵子で、先ほどのグラフの赤色の線の確率にまで上がるのではないかともいわれています。
ある病院では、もともと非常に妊娠しずらかった夫婦がミトコンドリア移植をして体外受精をしたところ、21例中6例が妊娠して、そのうち4名が出産したという結果がありました。
・価格は通常の体外受精(50万〜60万円)+110万円が必要。
・アメリカのベンチャー企業が実施。
・卵巣組織を採取するための腹腔鏡手術も必要。