高校の入試で英検を取っていると有利になる!?という話題です。
福井県では、来年度(2018年度)から英検3級以上を取得してれば県立高校の入試に加点されるという制度が導入されます。
しかし、教育委員会に県議会が制度の見直しを求めるなど賛否が分かれています。
英検加点制度
福井県の教育委員会が来年度の県立高校入試から導入する「英検加点制度」。
受験の際、評価されるのは5教科500点満点の学力検査と、調査書と呼ばれるいわゆる内申点、ここまでは全員同じ条件ですが、英検取得者にはさらに外枠で加点されるというのです。
3級(中学卒業程度)で、+5点
準2級(高校中級程度)で、+10点
2級以上(高校卒業程度)で、+15点
以上の内容で、それぞれ加点されます。
中学3年生や親のコメント
・早速英検を受けました。
・なぜ英語だけなのか?
・半ば強制になるのではないか?
評論家の話
教育評論家の尾木直樹さんの話によると、
完全な不平等というか、中学校の英語教育がゆがんでいきます。
しかも、準2級からは習ってない範囲をやらなければならないことなので、これは入試に対する信頼性そのものを自ら崩すことになりますよ。
とのこと。
英検の受験者数
加点制度の影響のためか、先月(2017年6月)に行われた英検の受験者数は、去年の約5倍になっている。
英検対策講座を設ける塾も出始めています。
その塾の先生によると、
合格不合格の最終的なラインで、1点の中に20人という生徒がいたら、英検の2級、準2級を取れる取れないで合否をかなり左右してしまう。
とのこと。
教育委員会 VS 県議会
教育委員会は、英語の「読む」「書く」「聞く」「話す」の4つの技能を伸ばすことが目的としている。
しかし、福井県議会では待ったをかけた。
ある県議によると、
英検のために塾通いをある面では行かざるを得なくなる。身近に塾がある地域とか無い地域とか地域間格差や家庭の所得間格差というのは非常に受験に大きく影響してくるということになりかねない。
とのこと。
議会が反対多数のなか、それでも導入されるこの「英検加点制度」。これはなぜなのでしょうか?
議会を通さなくても「県教委」が入試制度を決定できる
と福井県ではなっている。
加点制度導入までの問題
2016年10月に決定された英検活用制度が、1年4か月後の2018年度の高校受験では導入されてしまうので、
例えば、決定された当時、中学2年生だった子は、短い期間の4回で英検を取得しなければならなくなってしまう。
さらに、この制度の周知は徹底されておらず、保護者の中には困惑している人も多い。
県議会としては「県教委から議会への説明もなく、拙速に決定されたことは極めて問題だ」としている。
その他の意見
・英検で加点されることが問題なのではなくて、漢字検定、数字検定など他の技能にも加点されないことは不平等なのではないか?
・高校入試なのに、高校卒業程度の英語力が必要になるというのはおかしいのではないか?
という意見もあります。
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