機械ではなく手でいれるハンドリップのコーヒー。
コーヒーの味を決める最大のポイントが「蒸らし」と呼ばれる工程。
まず、全体に少量の湯を浸透させます。
すると、粉が膨らみました。コーヒーの粉に含まれる炭酸ガスが放出されることで起きる現象です。
炭酸ガスが抜けたコーヒーの粉の中には、湯が浸透しやすくなります。
すると、コーヒーのもつ香りや酸味などの成分が溶け出し、味わい深いコーヒーになるのです。
この粉の動きを見ながら、湯の量や注ぐスピードを変えることで、味を調整します。
ベテランの人が新人にコーヒーの入れ方を教えるのはなかなか困難で、どうしても感覚的なものになってしまうといいます。
そこで、コーヒー製造大手の「キーコーヒー」は、あるものを開発しました。
コーヒードリップの下には、デジタルの測りが置かれています。
実はこれ、キーコーヒーがアメリカの計量器メーカーと共同開発した「コーヒーの入れ方を可視化するシステム」です。
縦軸が注ぐ湯の量。横軸が経過時間。
グラフはベテランの入れ方を可視化したお手本です。
このグラフに沿って湯を注げば、誰でもベテランの味が出せるという教育ツールなのです。
「給湯量」「合計時間」以外にも「達成度」が表示されます。
専用のアプリとBluetoothで連動させます。
このツール、初期投資は「はかり」代の約2万円だけです。
キーコーヒーによると、
「感覚的な無形なものを有形なものにして伝えていければいい」
ということでした。