京都市内のマンションに集まった大学生と高齢者。
一見、不釣り合いのように思えますが、実は「集団見合い」なのです。
お見合いといっても結婚相手を探しているのではありません。
京都で下宿を求めている学生と、高齢者を同居させ、生活を共にという京都府の取り組みなのです。
京都府の役所の方によると、
高齢者にとっては、学生と交流できるというメリットがある。また、住宅の空室を活用できる。
学生の目線でいうと安い家賃で良質な住宅に、京都市内に住むことができる。
とのこと。
地方から来た学生が下宿することで、京都に愛着を感じてもらい、将来、京都で就職、定住につなげ、人口減少を防ぎたいという思惑があるのです。
高齢者と学生は何度か顔を合わせ、お互いが理解し合えるまで話し合います。
今回は、10年前に奥さんを亡くしたという京都在住の80代男性と、奈良県から片道2時間かけて京都の大学に通学していた20代の女子大生が、2人で暮らすことになりました。
高齢者男性「年寄りの人が孤独死して2か月たってから発見されたという記事を見てこれは駄目だなと。とても寂しいです。」
女子大生「奈良から通学していて(遠くて)死にそうだったので・・・、1人暮らしをするのは不安だし・・・」
高齢者男性の優しい人柄に惹かれ、女子大生は同居を決めました。
下宿代は一般のアパートより安く、光熱費込みで、月3万5000円。
二人が暮らしていく上で、高齢者男性はルールを決めました。
・帰宅は午前0時まで。
・友だちの家に宿泊するときは、前もって連絡をすること。
・大声で歌う、楽器を鳴らすことは近所迷惑になるので遠慮すること。
・お風呂、台所、洗濯機は共有。
・食事は交代で作る。
その3ヵ月後、二人は仲良く暮らしていました。
高齢者男性「老人が若い人に甘えるだけではよくない。互いに協力できるところはもっとないか探りたい。」
京都で2年前から始まったこの取り組み、高齢化社会の中、世代を超えて互いを支え合う形作りは広がりつつあります。