お笑い芸人のウエストランド 井口さんが持論を展開していました。
居酒屋で10年間バイトをしてた時に、僕がずっと思ってた持論を持ってきました。
それは、「飲食店バイトを必修科目にすべき論」。
飲食店のバイトは常に募集してるイメージないですか?
どんな求人誌を見ても、居酒屋・ファミレスのバイトを募集してる。
圧倒的に飲食サービス業は人手不足なんです。
その結果、人件費は高くなりますから、外食関連業者の倒産件数もどんどん増えています。
なぜ人手不足になるか?これは僕が考えてきた持論になるんですけど、
「飲食店バイトはバカな客に振り回されて死ぬほど大変!」
バカなお客というより、自分がバカなお客さんだと気づいていない人が多い。
「なぜなら飲食店でバイトをしていないから!」
(以下は、)僕がバイトしていた居酒屋であったことです。
「同じのちょうだい」
飲み干して空のジョッキを見せて、「すみません、同じのもう一杯」って言いますよね。
いやいや、全部同じジョッキ使ってるから!何飲んでるかなんて知らないよ?そんなに注目してないから!
自己顕示欲が高くなっている。バカな客の典型です。自分が注目されてると思い込んでいる。自意識過剰の極みです。
「オレんとこにビールちょうだい」
トイレの行きがけとかに、店員さんとすれ違いざまに「俺の所にビール」って言いますよね。
いやいや、お前の席どこか知らないから!そんなに注目してないから!いちいち覚えてないんですよ。
しかも居酒屋のシステム的には、ハンディと呼ばれるものに打ち込まなければいけない。
テーブルの番号を打ち込まないとオーダーを送信できない。すれ違いざまに言われてもどこか分からない。
結局、その人がテーブルに戻るのを見て送信しないといけない。
これも、自分がどこに座ってるか店員さんが把握しているだろうという勝手な思い込み。自意識過剰になってるんです。
「4〜5人で!」
入店してきた時に、「何名様でしょうか?」と聞いた時に、「4,5人で」と言うも、まだ2人くらいしか来てなくて合流してない時。
これが地味に困る。4名席か、6名席かで迷う。
居酒屋の規模によっては、6名席が1つしかない場合もある。
そのテーブルを4名で埋めて、結局5名来なかった時、その後6名の客が来たら断るしかない。
そしたら、客単価3000円だとして、6000円のマイナスになるんですよ。
だいたいテーブルは偶数席ですから、4、6、8とかですよ。
串を頼む時
一番気をつけてほしいのは串を頼む時。焼き鳥とか頼む時、あそこにはいろんな罠があります。
例えば、おじさん4人で注文する時、
「ぼんじり頼む人」「はい!」「じゃあ、ぼんじり2本で」
「皮頼む人」「はい!」「皮3本で」
「砂肝の人」「はい!」「2本で」
そのアンケートいる?! 80円の串あれば誰か食うだろ!
それだけならまだいいですよ。それを結局バラして食べる人がいるんですよ。何だったの?あのアンケートって。
しかも、「串盛り」と同じ数だけ注文して、最初から「盛り合わせ」頼めよ!って。
「これは俺の砂肝だ!」って人いないじゃないですか。
それと、 もう一つ気をつけて欲しいこと。
注文する時に、「ぼんじり2本、皮3本、もも4本」って頼む人いるじゃないですか。あれダメです。
なぜなら、串には「塩」と「タレ」がある。
ぼんじりの段階で「塩」と「タレ」をハンディに打ち込まないと次の画面に進まない。
連続で言っても、お客が次の皮3本って言っても、まだぼんじりの状態で止まってる。
こっちはぼんじりですよ、その先は何にも覚えられませんよ状態なんで。
まず、「ぼんじり2本、タレで」「皮3本、塩で」と言っていかないとハンディには打ち込めないんです。
結局「注文なんでしたっけ?」、「覚えてないのかよ」と、どんどん悪いスパイラルに入っていく。
よかれと思って
お客が良かれと思ってやってることが店員としては迷惑なことがあります。
若い人が気を遣っていることが逆に店員を困らせている。
9人くらいで来ているお客に、店員が飲み物を持ってきた時に、重そうだなと思ってお盆から取ってあげる客いますよね?
あれが一番こまるんですよ。
絶妙なバランスで保ってるから、取られたら困るんです。
あれは、店員さんが1個テーブルに置いて、ちょいズラす、1個置いてちょいズラす、をやってるんですよ。
9本のジョッキの奇跡のバランスを保って持ってきてるのに、あれを急に取られると終わりなんです。
あと、ジョッキの取っ手を持って5本くらい持つ技、居酒屋の店員さんなんかがやるんですけど。
あれで、ジョッキを返す客がいる。取っ手を店員側に向けないと持てないんです。
どう持てばいいの?ってなる。
優しさでやってる事が店員を苦しめてることがありますから。
これがバイト経験があれば、ちゃんとそこができるわけです。
「飲食店バイトは社会を学ぶ最大の場である」
居酒屋っていうのは、人生の全てが詰まってるんです。
会社では部長である課長である、芸人では先輩である売れてる売れてない、いろいろありますけど、居酒屋のお客さんはみな平等。
その中で、どんな対応ができるかなんです。
結局、このあうんの呼吸ができる。そのためにはバイトをしておくことが大事だと。
僕らの中ではリズムがある。
「入店してくる」「テーブルに案内する」「おしぼりを渡す」「ドリンクを聞く」「ドリンクを作る」「ドリンクを持ってくる」「フードのオーダーを聞く」
この一連の流れがスムーズにいく鍵。
これを飲食店でバイトしたことない人は、無茶苦茶な流れで、おしぼりを出す前に「すみません、ご飯ひとつ」とかワケのわからない注文をしてきたりする。
ビール(ファーストドリンク)を持ってきたときにフードを聞く流れでやってるのに、
ビールを注いでるときに、「ピンポーン(呼び鈴)」みたいな。
これ(ビール)持って行った時でいいじゃんって思うけど、しょうがないからビール作ってる途中でオーダーを聞きに行くと、お客が「どうしようかな?」の一言。
「(どうしようかなぁ?!はぁ?!せめて決めておいてよ)」
こういうことで人間性とかわかってくる。
居酒屋は大人になったら絶対に行く場所。
コミュニケーション能力も、居酒屋バイトをすることによって上達する。
飲食店バイトを必修科目にすれば、みんなが豊かになる。