魚市場などで、様々な魚の「値札」を見てみると、
アジは1匹。サバも1匹と書かれている。
多くの魚に使われる単位は「匹」。
しかし、サンマの値札を見てみると、「1本」、
さらに、サヨリも「1本」と書いてある、これは細長い形をしているから。
ヒラメは「1枚」。平らな板に見立てているから。
エビは「1尾」。尻尾のような形をしているから。
イカは「1杯」。杯(さかずき)のような形をしているから。
めざしは「1連」。イワシの目に串を刺し干すので「目刺し」と言い、昔から数匹ずつ連ねて干していたから。
ちなみに、串から外した場合は「1匹」と数える。
魚を数える単位は全て「匹」でもよさそうなのに、なぜ魚の種類によって数える単位を変えたのでしょうか?
↓こちらの本を監修している町田先生によると、
- 作者: 飯田朝子,町田健
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町田先生「かつては、アジ・サンマ・ヒラメ・イカも1匹と数えていた。
それが江戸時代に種類によって、魚の数え方が違ってきた。」
とのこと。
江戸時代、「漁師」が釣ってきた魚は、「魚問屋」が買い取り、買い取った魚を「棒手(ぼて)振り」という行商の人に託し、町をまわって売りさばいてもらうという流れになっていた。
その際、魚問屋は、棒手振りに魚を託す時に、↓こちらのように、
鯵 十匹
秋刀魚 十匹
平目 五匹
烏賊 五匹
「魚の種類と数」を全て帳簿に記録していた。
なので、魚問屋は、毎回帳簿に魚の名前を書くのは漢字の画数が多いから大変だとなった。
そこで、魚の種類によって、数える単位を変えればいいとなった。
十本(サンマ)
三枚(ヒラメ)
五杯(イカ)
このように、単位と数だけを記入することで、面倒な帳簿の記入が早くなったのです。