日本で食べられる、インドカレーとセットになったナン。
でもなんで、ナンなんでしょうか?
インド人のカレー店主に聞いてみると、
そもそもインド人はナンを食べない。
とのこと。
カレーと一緒に食べるのは、
南インドであれば、日本と同じで「ごはん」。
北インドであれば、「チャパティ」だそうです。
ナンは味付けしてありますが、
チャパティは粉の本来の甘味だけを残しています。
それもそのはずで、材料は「全粒粉」「水」「塩」だけ。
これを平らにしてフライパンで焼いたものです。
一方、ナンの材料は「強力粉」「ベーキングパウダー」「砂糖」「塩」「牛乳」「卵」「水」「油」で、
これを4時間使って発酵させ、タンドールで焼きます。
実は、インド人がナンを食べない理由に、このタンドールがあります。
一般家庭にこのタンドールがなく、ナンはお金持ちの家やレストランに行かないと食べられません。
インド人にとって、タンドールを使う料理なんてぜいたくな料理なのです。
それよりも、フライパンで作れるチャパティが一般的なのです。
では、ナンはどこから来たのでしょうか?
実はイランから、ムガル帝国(16世紀)の時代にインドに入ってきたといいます。
イランでは、貿易のために数ヶ月にかけて移動していたため、弁当として腹持ちがよいナンを持ち歩いていました。
イランでも、各家庭にタンドールがあるというわけではなく、お店にナン窯があって、そこに買いに行きます。
ではなぜ、インドではこのテイクアウト方式が広まらなかったのでしょうか?
インドでは、日本のように惣菜を外で買ってくるとか、外食をするという文化が広まっておらず、自分たちの家で料理を作ることを大事にしています。
しかし、これだと、インドカレーとチャパティという組み合わせで日本に入ってきそうなものですが、なぜナンに変わったのでしょうか?
それは、チャパティの材料となる全粒粉が日本では手に入りずらいそうです。
そして、もう1つのさ最大の理由が、インド料理店にはネパール人が多いということ。
インド料理店の10軒中8軒はネパール人経営者だといいます。
ネパール人はインドで料理人修行をする。
↓
レストランで修行するので、定番のカレー&ナンを習得する。
↓
日本でインド料理店をオープンする。
ということで、日本では、カレー&ナンが流行っているのです。