依頼内容
「熱湯をどのくらいの高さから落とすと、冷めて熱くなくなるのか、とても気になります。」
調査開始
鍋に入った熱湯をかけて熱くないか検証するということに。
高さも必要だということで、近畿大学の5階建ての校舎の渡り廊下も使って実験を行うことになりました。
お湯の温度は、ヤケドをしない程度の温度ということで、熱湯風呂の温度でもある50℃。
まずは、お鍋に入れた1.8リットルのお湯を、成人のおへその位置(1メートル)の高さからかけてみます。
すると、とても熱いようです。
次は、小さい脚立の上に乗って(1.9メートル)の高さ。
ここでも、変わらず、とても熱いようです。
さらに大きい脚立に乗って(2.4メートル)の高さ。
ここでも、まだ変わらず、とても熱いようです。
全く熱さが変わらないので、落とす位置を一気に高くして、校舎の5階からお湯を落としてみることに。地上の人に当たるように、お湯もタライの量に増やします。
すると、意外にも全く熱くない様子。むしろぬるいというくらいでした。
5階でいけるなら、もっと下でもいけるんじゃないかということで、2階から落としてみましたが、また熱いに逆戻り。
物理や数学の回でおなじみの山田先生でも、これは未知な実験だといいます。
そんな先生が、ここで、おそらくこうだろうという仮説を立てました。
まず熱湯を、お風呂用洗剤を入れるようなスプレー式の容器に入れました。
この状態で、容器を下から触るとすごく熱いです。
しかし、スプレーで霧状にして吹きかけると、意外にも冷たかったのです。
山田先生「湯は霧状になると水の表面積が一気に増え、急激な速度で蒸発して水蒸気になり、気化熱によって湯の温度も急激に下がる。
高い所から、お湯を落とすと、水の固まりが下に落ちていく時に、だんだん小さな粒になっていって、その分表面積が増えているので、熱が奪われて温度が下がっている。
沸騰させた100℃のお湯を落下させてもいける可能性があります。」
ということで、実際に100℃のお湯を落下させてみると、熱くはなく、ちょうどいいお風呂くらいの温度になりました。
(※危険なので真似はしないでください)