アニメ「サザエさん」が、ある危機をむかえているという話を、林修先生がしていました。
アニメ「サザエさん」といえば、「庶民」というイメージの具現。
「庶民というのは、こういうものだよね」っというイメージを具体的に現実化したものが磯野家である。
放送開始から半世紀も経つという長い歴史があるゆえに、現代とのギャップが生じてきています。
先日発売された「磯野家の危機」という本では、
- 作者: 東京サザエさん学会
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2018/05/18
- メディア: 単行本
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磯野家の資産を明らかにしてしまいました。
その金額はというと、土地だけでなんと2億円。
作品の中での磯野家の住所は「東京都世田谷区新町3−51」。
この土地を、今の地価で換算すると、1坪=約200万円。
もし、波平・フネが亡くなった時のことを考えると、残ったサザエ・カツオ・ワカメの3人の間でいったい何が起きるのか。
さぁて、来週のサザエさんはー?
・骨肉の争い
・花沢父のアドバイス
・カツオ、ニヤリ
の3本です。
(花沢さんのお父さんは不動産屋さんなので・・・。)
そんなに資産がある庶民がいるのか?
先の本では、磯野家の金銭事情についても書かれています。
原作の『サザエさん』31巻によると、波平の月給は7万円と出ています。
これを今の額に換算すると、波平の年収は1,120万円くらいになるそうです。
マスオさんは、年収544万円。
世帯あたりの収入が、1,664万円となります。
これは、日本国民の上位1%の収入に入ります。
そして、この低金利時代。
いったい何をやりましょう?
・波平、仮想通貨で大儲け
・波平、老後のためにタワマン下見
・波平、仮想通貨大暴落で真っ青
の3本です。
1970年代、「1億総中流」といわれ、磯野家は庶民の真ん中にいました。
ただその後、バブルは崩壊する、リーマンショックがあったなど、いろんなことがある度に、富が一部の人に偏る世の中になった。
世界全体で見ても、ここまで経済格差が開いたのは初めてのことです。
日本の貧富の格差の変化をわかりやすく解説しているモデルを「シャンパンタワー」で表してみます。
シャンパンタワーの上の方が「富裕層」、下の方が「貧困層」、流れてくるシャンパンが「お金」と見立てます。
かつての、一億総中流時代は、富裕層からお金が回り、溢れた分も貧困層にまで回っていました。
つまり、日本国民全体の生活水準が底上げされていたのです。
これがかつての状況です。
その後、格差が広がると、一番上の↓こちらの大きいグラスのように、富裕層だけ景気がいい、一般人は実感がないという図式になります。
「サザエさん」という作品自体には全く非はなく、
設定を変えないまま放送を続けたら、世の中の方があまりにも変化してしまった。
その「リアルな庶民の暮らし」というラインをどこまで守っていけるかという意味での危機なのです。
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