船の名前といえば「◯◯丸」のように、最後に「丸」が付くことが多いですが、これはなぜでしょうか?
それは、トイレにヒントがあるといいます。
丸というのは「お」をつけて、丁寧語になって「おまる」。
その意味は、「排泄物そのまま」という意見と、「その入れ物」という意見があります。
これは「汚い」という意味でつけています。
これが、船に「丸」が付く理由だというのです。
いったいどういうことでしょうか?
2000年以上前の中国の医学書を見てみると、
例えば、「湯で火傷した時は、豚の糞をからいりして、酒でまぜあわせて、患部をふさぐ」や、「てんかんには、白鶏と犬の糞を用意する」などとありました。
昔の考え方では、例えば、オデキができたら、その中に病気のもとになるのは、悪霊みたいなものが入り込んで病気になる、悪霊が逃げ出してしまえば、病気のもとが退散するから、病気が治るというものでした。
そして、悪霊は汚いものや臭いものが大嫌いで、糞を付けると悪霊が退散すると考えられてきました。
この考えが日本に伝わると、船に応用されたといいます。
海難事故から船を守るための「丸」を付けたという話です。
日本は海に囲まれた海洋国。
船は、人や荷物、情報など、生活に必要なものを届けてくれるとても重要な乗り物でした。
一方で、海は常に危険と隣合わせの恐ろしい存在でもあったのです。
船の「丸」は、大事な船にあえて、汚い意味の「丸」をつけて、大切なものを守るためだったのです。
子どもの名前に「丸」を付けたのも同じだという説があります。