昔から伝わるような、天気のことわざは、単なる迷信ではなく、科学的な理由があるそうです。
茶碗のご飯粒がきれいにとれると雨
高気圧が近づき天気がよくなると、空気は乾燥し、ご飯粒はすぐに乾いて、かたくはりつき取れにくくなる。
逆に、低気圧が近づいて雨もようになると、湿気が多くなり、ごはんも湿ったままで取れやすい。
猫が顔を洗うと雨
猫のヒゲはセンサーのように敏感で、雨の前に湿気が多くなると、むず痒さや重さを感じ、いつも以上にヒゲを触る。
それが人間には顔を洗っているように見える。
アマガエルが鳴くと雨
低気圧が近づき空気中の湿度が高くなると、アマガエルが皮膚呼吸しやすくなり、活動的に泣き出すため。
櫛が通りにくい時は雨
朝、いつもに比べて櫛が通りが悪いと感じる時は、雨が近い証拠。
低気圧が近づき、湿気が多くなると、髪の毛が空気中の水分を吸い、長さや太さが変わり縮れるため、櫛が通りにくくなる。
星がちらちらすると雨
夜、空を見上げた時、星がちらちらと瞬いている時は、雨が近い証拠。
星が瞬いて見えるのは、上空に低気圧が接近し、空気の層が複雑になっているため。
この時、星の光は、何度も屈折して地上に届き、星が瞬いてキラキラと見える。
クモの巣に朝露がかかると晴れ
早朝、クモの巣や足元の草に水滴が付いていると、晴れることが多い。
朝露が付くというのは、夜、放射冷却という現象で、地上の温度が冷やされ、水蒸気が水滴に変わるため。
この放射冷却は雲があると、熱が雲に跳ね返されるため起こらない。
つまり、放射冷却が起こるのは、夜、快晴の時で、翌日もそのまま晴れる可能性が高い。
ツバメが低く飛ぶと雨
ふだん、電線ほどの高さを飛ぶツバメだが、時に人の目の高さの辺りの低い所ばかり飛ぶことがある。
これは、ハエやハチなど、空を飛ぶ虫を主食にしているツバメの餌が関係している。
虫は湿気が多くなると、羽が湿って重くなり低い所を飛ぶようになる。
すると、それを狙うツバメも低い所を飛ぶようになり、雨が近づいている証拠となる。
夕焼けの翌日は晴れ(条件付きで)
日本の天気は西から東に変わる。
夕焼けが見えるということは、西の空に雲がなく、翌日も晴れる可能性が高いということ。
だたし、このことわざが当たるのは、高気圧と低気圧が西から交互に通過する春と秋だけ。
夏や冬は季節風などの影響により、西から東に天気が変化することが少なくなる。
そのため、夕焼けがきれいに見えていても、次の日は晴れというのは、当たらないことが多い。
飛行機雲がすぐ消えないと雨
よく見かける飛行機雲。実は長く伸びた飛行機雲が出ると、雨になる可能性が高い。
飛行機雲は、飛行機の排気ガスに含まれる水蒸気や細かい粒子が急激に冷やされてできる。
晴れている時は空気が乾燥しているので、水蒸気はすぐに蒸発し、飛行機雲もすぐに消えてしまう。
一方で、低気圧が近づき、空気が湿っている時は、長く消えずに残るため、飛行機雲が長い時は雨が近いサイン。
魚の名前の雲がみえたら雨
魚のうろこに似た「うろこ雲」や、いわしの群れのような「いわし雲」など、このような雲が見えた時は雨の兆し。
これらは多少、形が変わっても、同じ巻積雲と呼ばれる雲。実は、この雲が見えると、その先に雨雲が控えている。
つまり、このような雲が見えたら天気は下り坂。
ちなみに魚の名前の雲が多いのは、漁師が名付けたからだといわれている。