日本人はどこから来たのか?DNAのルーツの話:ヘウレーカ!【2018/10/31】

DNAやゲノムを分析して人類の起源と拡散を研究している篠田謙一さん。

彼が「日本人のルーツ」の話をしていました。

ミトコンドリアDNA

細胞の中を見てみると、核の中にDNAが入っていて、それとは別に、ミトコンドリアも独自のDNAを持っています。

母から子に伝わるDNAなので、母系のつながりを知ることができます。

↓こちらは、世界中の人のミトコンドリアDNAの系統図。

細かすぎてどこから見ていいかわかりません。

最初の人類のミトコンドリアDNA「L0」と呼ばれるものから分岐していきます。

最初のL0からL3まではアフリカの集団

なので、みんなの先祖を遡ると、アフリカ人の所に来るということが分かります。

人類はアフリカで生まれたということです。

私たち、アジアの集団は、アフリカのLのグループから分かれた「M」、あるいは「N」といったグループが起源となっています。

ちなみに、芥川賞作家の又吉さんのDNAは、「M7b1a1a1」。

↓こちらは、東アジアに辿り着いたミトコンドリアDNAのグループが、どこで分岐したか推定した図。

20万年頃前にアフリカに誕生した人類は、世界各地に拡散して行き、その一部がアジアに辿り着く。

そこで、いくつかのミトコンドリアグループが生まれた。

4万年前の後期旧石器時代に、日本列島に最初に人類が3方向からやってきた。

なぜ、アフリカからこんなに離れた土地まで移動してきたのでしょうか?

篠田先生「追い出されて前線に行く。そういう人たちは何もない所にいくので、とても苦労する。
その中で何かの拍子や、発明、工夫によって人口を増やすと、そこで繁栄していく、
そして、またその中で追い出される人が出てくるというのを繰り返しているのではないか。」

Y染色体DNA

Y染色体DNAは、父親から息子へと男性にだけ、延々と引き継がれてきた。

ちなみに、又吉さんのY染色体DNAは「D1b」。

この「D1b」を国別で見てみると、大陸の中央にはいなく、日本を含め、チベットやタイ、韓国、台湾など周辺に存在することがわかります。

西の方から大陸の周辺を通って日本に入ってきたことがわかります。

DNAのつながり

篠田先生「私たちは両親が二人いて、祖父母は4人いて、遡るごとに、どんどん倍に増えていく。
10代で 約1000人、20代さかのぼると約100万人。
しかし、遺伝子は約2万2000個しかないので、私たちに遺伝子を残さない先祖もたくさんいる。
ただ、その人たちは、遠い先祖でつながっている別の人々に遺伝子を残している。
そういったモノが混然一体となって、つながりながら実は今の私たちを作っているんだと考えることができます。」