なぜ、人はインフルエンザに何度もかかってしまうのか?という話がありました。
インフルエンザ ウイルス
ウイルスには遺伝子が8本あり、人の体内に侵入した後、外側にある殻が破れて、中の遺伝子だけが人の細胞の中に入っていく。
そして、自己複製していき、増えるわけです。
生物の細胞に ”とりついて” 初めて、ウイルスは増えるのです。
インフルエンザウイルスのもともとの宿主は、水鳥のカモ。
そこから、鶏、クジラ、アザラシ、馬、豚 など、様々な動物に感染。
鶏経由で、ヒトにも感染するようになりました。
ヒトは、インフルエンザに感染すると、すぐ病気になってしまいますが、カモはあまり病気になりません。
カモは、腸でインフルエンザウイルスが増殖する。ところが、ウイルスを追い出そうとしない。なぜなら、腸の免疫システムが弱く戦おうとしないからです。
一方、ヒトは、免疫システムが強固なため、高熱や咳などでウイルスを追い出そうする。だから病気になるのです。
ヒトが何度もインフルエンザにとりつかれる理由に、ウイルスの変化があります。
その変化は、大きく分けて2種類。
徐々に変化するウイルス
ウイルスが増殖していくうちに、遺伝子の複製エラーが発生することがあります。
だから、例えば、1年目にやってきたウイルスに対して抗体を作っても、翌年のウイルスに変化があると同じ抗体が効かないので、インフルエンザにかかるのです。
劇的に変化するウイルス
例えば、
人にかかるウイルスの遺伝子は、「○○○○△△△△」 で、
鳥にかかるウイルスの遺伝子は、「□□□□☆☆☆☆」 だったとします。
豚は「人」からも、「鳥」からも、ウイルスが感染します。細胞内で2つのウイルスが同時にとりつくことが可能なのです。
すると、その遺伝子は、「□□○○△○☆☆」などとなり、豚の体内で新型ウイルスが次々とできます。
これが劇的な変異となります。
インフルエンザウイルスは、豚の免疫系を強く刺激しません。
だから、長期にわたりウイルスの温床となるそうです。