「世界が感動する日本の『当たり前』」の著者、マンリオ カデロ 氏。
彼は、サンマリノのジャーナリストであり、大使でもあります。
その彼は、ある人から、日本の「おもてなし」を教えられたといいます。
それは、天皇陛下(今上天皇)。
カデロ氏を含めた大使たち数人が、天皇陛下のお食事に招かれた時のこと。
部屋には、ずっと絶妙な音量の美しい音楽が流れていた。
そこで、カデロ氏は陛下に訪ねた。
カデロ氏「部屋に流れている音楽に感動しました。一体どんなアンプとスピーカーを使ってらっしゃるのですか?」
すると、陛下は、
陛下「食事の後にお教えしましょう。」
そういって食事が終わるのを待ってから、そっとカーテンを開けた。
そこには・・・
カーテンの裏から現れたのは10人程度の小さなオーケストラ。
他国の王室でもこのような演出をすることはあるが、
オーケストラをカーテンで隠すようなことはしない。
陛下が彼らを隠した理由は、
カデロ氏「そうか、オーケストラが見えると、曲が終わるたびに拍手をしないといけない。そうした気遣いをさせないために隠されたのだ。きっと、自分が何も言わなければ、陛下はカーテンを開けることはなかった。」
その奥ゆかしいおもてなしに、大使たちは大きな拍手を送った。