なぜ暦は「年・月・日」なのか?:コトノハ図鑑【2018/11/15】

なぜ暦は「年・月・日」なのか?』という話がありました。

暦は天体と密接な関係があるようです。

農業が生活基準だった当時、いつ種をまいたらいいのか、いつ収穫したらいいのか。

安定した農業のために気候の変動を知りたい。

そこで注目されたのが太陽や月などの天体の動き。

人類は太陽の動きの周期から1年の長さを知り、暦を作り上げたのです。

古代エジプトでは、約5000年前には暦が使われていたといいます。

ところで、どうして暦は1月2月・・・と「月」が単位になっているのでしょう?

明治5年以前、月の満ち欠けをもとにした、太陰暦(旧暦)が日本では使われていました。

新月となる日を月の始まりとし、その次に新月となる日は翌月の1日とするというものでした。

すなわち、ひと月は、月の満ち欠けの周期

ちなみに、1日は、太陽が昇って沈む周期

では、1年はどうでしょうか?

古くは、穀物、特に「」のことを「とし」と呼んでいたのです。

諸説ありますが、ここから転じて、稲の収穫サイクルから年が単位となったと考えられています。

現在は、太陽の動きをもとにした「太陽暦」が採用されていますが、

今も使われているいろんな言葉に旧暦の名残があります。

カレンダーを見ると、月のはじまりは「いちにち」ではなく「ついたち」と呼ぶことが多いです。

その語源は「月だち」。「月が立つ」。全部描けた月がこれから満ちていくというところから。

ちなみに、ラテン語の「カレンデ」は「宣言」や「布告」や、新しい月を宣言する「1日」を意味し、「カレンダー」の語源となっています。

逆に、月末。例えば、三十路(みそじ)という言葉があるように、三十のことを(みそ)といいます。それと同じで、月の最後は、三十日(みそか)といいます。

ちなみに、旧暦では1日が新月なので、15日はほぼ満月になります。

秋の風物詩の「十五夜」はここからきています。

このように便利な旧暦にも、デメリットがあります。

月の満ち欠けの周期は、29日と30日の間くらいになるので、それで暦を作ると、1年が大体354日になります。

これだと、毎年季節が少しずつズレてしまいます。

四季がある日本ではこれは不便です。

そこで、登場したのが15日おきに季節を表す「二十四節気」。もとは中国でできたものです。

1年を24分割し、季節を分かりやすくとらえるもの。

その中には、「立春」など、天気予報でよく聞くものもあります。

さらに、二十四節気を3つに分けて、5日おきに季節を表した、「七十二候」というものもあります。

これは、昔の人が、季節の移ろいを敏感に感じ、言葉にしたものです。