「僧衣」を着て運転するのは危険だとして反則切符を切られた、というニュースがありました。
去年(2018年)9月、福井県での交通違反の取り締まりでした。
40代の男性僧侶が僧衣を着て、軽乗用車を運転していたことを理由に、交通違反の反則切符をきられたのです。
福井県には、「運転操作に支障を及ぼすおそれのある履物または衣服を着用して車両を運転しないこと。」という交通ルールがあります。
今回、警察官が、男性僧侶の僧衣が運転に支障があると判断したのです。
取り締まりを受けた男性僧侶によると、
一番簡易的な僧衣を着ていた。およそ20年同じ格好で運転していたが、(反則切符を切られたのは)今回が初めて。これまで事故もなかったです。
運転に支障のある和服での運転ということで、反則金6,000円の支払いを求められた。「今着ているものがダメなんです」というふうにしか(警察官から説明されなかった)。
どう危険かということではなく服がダメだと。会社員に対してスーツを脱げと言われているようなもの。裁判で違反の取り消しを求めていく。運転に差し障りはないと主張していく。
とのこと。
現在、この男性僧侶は6,000円の反則金の支払いには応じていないということです。
今回の件で、道路交通法には、明確な条文はなく、各都道府県ごとに定められた規則「施行細則」の中には衣服について触れられている都道府県がありました。
47都道府県で、衣服・履物に関しての施行細則があったところは、15県(赤い部分)、東北の方が多い印象があります。
秋田県では、「運転の操作の妨げとなるような服装」
静岡県では、「運転操作に支障をおよぼすおそれのある衣服(ペダルを踏む足下まで垂れる振袖では運転に支障が及ぶのは明らか、状況をみて切符をきる可能性がある)」
岩手県では、「衣服の袖、裾等によって運転の障害となるような和服等を着用(運転に支障をきたしている場合。和服であっても【もんぺ】や【たすき掛け】であれば該当しない)」
など。
履き物に関しては47都道府県で明記がありました。
【下駄】は、NG。
【雪駄】は、OK。ただし、裏側に金具が付いているものはダメな場合もある。
【はだし】は、OK。
島根県では、スパイクのように靴の裏側に金具を取り付けたものはNG
宮崎県では、定着性のあるものでなければNG。ハイヒールは4cm以下のものならOK
など。
都道府県をまたいで運転するような状況でなどは、判断が難しいところもありそうです。
追記 2019/01/28
後日、福井県警は「改めて内容を精査したところ、証拠の確保が不十分で違反事実が認定できなかった」として、
男性僧侶は、違反取り消しとなりました。