「地球が回っているのはなぜ?」という話があり、
その疑問に対して、国立天文台の 小久保英一郎 博士 が説明していました。
地球が生まれたのは約46億年前。
もともとは太陽の周りを漂う「塵」でした。
塵の集まりである微惑星がぶつかり合い大きくなることで地球が生まれたのです。
この誕生の仕方が今も地球が回っている原因。
物と物がぶつかって合体するときに、完全に正面衝突ではない場合は、そこに回転が生まれる。
衝突する勢いが回転する勢いに変わっているのです。
特に重要なのは、地球が完成するときに、大きめの天体がぶつかってきて、それが地球の正面ではなく端にぶつかって、そのときに生まれた回転の勢いが今でも残っていて、これが地球が回る“もと”になっている。
このような大きな天体の衝突は「ジャイアント・インパクト」と呼ばれ、最後にぶつかった天体の勢いが惰性で残り、地球は今も回り続けている。
地球は生まれたばかりの頃、今よりもずっと速く回っており、その速さは約4時間で1回転。
現在の6倍の速さで回っていました。
その後、徐々に回転は遅くなり、24時間で1回転に。そして今でも徐々に遅くなっているという。
地球の自転が遅くなる原因は、月による潮汐力(ちょうせきりょく)です。
これは、月が地球を引っ張り変形させる力のこと。「潮の満ち干」もこれが原因です。
月からの距離により引力の強さが違うので、地球が球からラグビーボールのように変形。
その出っ張った部分と月が引き合うことで、地球の自転にブレーキをかけている。
もしも地球が限界まで遅くなると、昼が3週間・夜が3週間と交互に続くようになり、昼側は太陽が照り続けていったい何度かわからないくらいの灼熱の世界に。逆に夜側は想像を超えるような極寒の世界となり、生きることが過酷な環境となってしまうかもしれない。
今こうしている間にも、地球の自転速度は遅くなっている。
1日当たり、0.00000005秒ずつ。
約1億8000万年後には、1日が25時間に。
100億年以上たつと、1日が1000時間以上になる。