ラッコが前足で目の辺りを隠すのをよく見かけます。
なぜ、こんなことをするのでしょうか?
その理由は「寒いから」。
いったいどういうことでしょうか?
冷たい北の海に生息するラッコ。
厳しい寒さに対応するため、体毛が衝撃の進化を遂げました。
人間は、ひとつの毛穴から1本〜5本の毛が生えますが、
ラッコは、約70本の毛が生えています。
全身の毛の量は約8億本。
最も毛の密度が高い動物とも言われています。
毛づくろい中のラッコは、密集した毛の間に空気を入れており、
その溜め込まれた空気は、浮き輪のような役割を果たし海に浮かび上がるうえに、
冷たい水が皮膚に直接触れないよう断熱材のような役割も果たします。
しかし、そんなラッコにも唯一、毛が生えていないところがあります。
それは、ラッコの前足の内側。
そのため、冷たい水に体温を奪われないように、前足を目に当てて寒さをしのいでいたのです。
他にも、
人のように前足を口にあてたり、
合掌していたり、
頬に手をあてたり、
ずっと前足を上げているラッコもいるのだそうです。