銭湯といえば、「牛乳」や「コーヒー牛乳」、「フルーツ牛乳」を売っているのをよく見かけます。
お風呂上がりに、腰に手を当てて飲むという方も多いのではないでしょうか?
でも、なぜ銭湯に牛乳が置いてあるのでしょう?
もともと、お風呂屋さんには飲料が置いてありませんでした。
商店街の中にあることが多かったので、お風呂は風呂にはいる所、出たら商店街のパン屋さんなどで牛乳を飲んだりしていました。
以前は、冷たい牛乳が重宝されたので、卸売業者がショーケース(冷蔵用)を用意することは、高すぎて不可能でした。
それを、牛乳メーカーの負担の元に貸与し、お風呂屋さん一軒一軒に置いて販売するようになった。
そして、冷たい、牛乳や、コーヒー牛乳を提供することができた。
当時(昭和33年頃)、販売された冷蔵庫は6万8,000円と、とても高額で、サラリーマンの平均年収の3分の1ほどの金額でした。
いかに大手牛乳メーカーとはいえ、全国の銭湯に そろえるとなるとかなりの出費になります。
なぜ、そこまでして、銭湯に牛乳を置きたかったのでしょうか?
昭和30年代から40年代は、ほとんどの家にお風呂がありませんでした。
そのため、銭湯は庶民にとってなくてはならないものでした。
銭湯1軒あたりの利用者数も多く、現在の約7倍あったといいます。お客さんの平均が1日800人、多い所で2000人もいたのだとか。
当時、冷蔵庫が普及していない 一般家庭では、朝に届く牛乳は朝に飲まないといけない。
牛乳をもっと売るにはどうしたらいいか、各家庭で朝に飲むものではなく、いろんな時間にも飲ませるということを考えた。
地域の牛乳屋さんが新しい販路を求めるため、銭湯の客に売ると儲かるとなったのです。