現在、一般的に使われている教科書体は、筆文字に近い形で、力を加えた所は太く、力を抜いたところは細いため、線の太さにばらつきがあり、読みにくさを生んでいました。
一方、ゴシック体は、線の太さは統一されているものの、書き順がわかりにくく、形が崩れたものもありました。
その両方のいい面をあわせたものが、「UDデジタル教科書体」です。
線の太さは均一で、書き順もわかりやすくなっています。
名前についている「UD」とは、ユニバーサルデザインのことで、誰もが読みやすいデザインが特徴です。
このUDの教科書体をいち早く取り入れたのが「教育現場」でした。
奈良県立香芝高校では、校内での配布物やテスト用紙、授業で使う資料などでも、UDの教科書体が積極的に導入されています。
生徒に聞いてみると、読みやすい、疲れにくいと評判がよいようです。
さらに、今年(平成31年度)の奈良県の公立高校の入学試験では、初めてUDフォントを採用。
来年度以降は、県内の公立高校、全ての教員にUDフォントが搭載されたパソコンが支給されます。
文字が読みやすいことによって、テストの文章を読む時間も変わってくるので、結果的に学力にも影響してくるのではないかということです。