「自転車に左側から乗るのはなぜ?」という話がありました。
この疑問に、関西福祉科学大学学長の八田武志さんが答えていました。
人の足には、動作をする「利き足」と、体を支える「軸足」がある。
利き足とは、ボールを蹴ったり、地面に絵を描く時に使うなど、動きを器用に使う足。
軸足とは、高い所にある物を取ろうとして、つい片足立ちになる時に使う足。
多くの人は生まれた時から、このように足の機能が左右で分かれている。
その判別方法は、目をつぶって左右の足でそれぞれ片足立ちして、長い時間立っていられる方が「軸足」となる。
街の人で調査したところ、左足が軸足という人が多かった。
でもなぜ、左足の方が多いのでしょうか?
それはお母さんのおなかにいるときの赤ちゃんの耳の位置に秘密がある。
耳には、音の情報をとらえるだけではなく、体の平衡感覚をつかさどる三半規管がある。
妊娠後期の赤ちゃんの約3分の2は、左耳が母親の背骨側に向く姿勢になる。
母親が歩いたり、家事をしたりすると背骨も動き、その振動が、赤ちゃんの左耳に強い刺激として加わる。
すると、左耳の平衡感覚をつかさどる三半規管が発達し、体の左側、左足に連なる方がバランスを上手にコントロールできるようになる。
ちなみに、右耳が母親の背骨側に向いている場合は、逆になる。