蟻地獄から抜け出せないのはなぜ?という話:ダーウィンが来た!【2019/03/24】

蟻地獄」の話がありました。

それは、巣に獲物のアリが落ちたら最後、崩れる砂に足をとられ、登ることができない地獄の斜面。

その中にいるのは、大きさわずか1cmの「アリジゴク」。

アリジゴクは、私たちの身近な所にいる。

例えば、神社やお寺。

境内の下などの地面に、無数の穴が開いている。

大きなもので直径6cm、深さは3cmほどになる。

アリジゴクは、ウスバカゲロウの幼虫のことをいう。

↓ウスバカゲロウ

その大きさは、わずか1cmほど。

一番の特徴は、頭の先にあるクワガタムシのような大アゴ。

この大アゴで獲物を捕らえる。

アリジゴクの主な獲物はその名の通り、アリ。

砂に足をとられて落ちていくアリ。

その下からアリジゴクが勢いよく飛び出してくる。

アリジゴクは巣の1番下の中で隠れている。

アリが落ちてくるのをひたすら待ち続ける。

自分と同じ大きさのアリでも、180度開いた大アゴではさみ、砂の中に引きずり込む。

実はこの大アゴ、はさむだけではなく、先端からも出る。

アリジゴクの毒は、フグの毒の100倍以上も毒性が強いといわれている。

捕まったアリは、一瞬で命を落とす。

アリジゴクは、捉えた獲物の体液だけを吸う

食事が終わると、その残りは巣の外へ放り出す。

ところで、アリはなぜ、蟻地獄から抜け出せないのか?

アリは、表面がツルツルしたガラス窓などでも、なんなく登れ、どんな場所でも縦横無尽に行き交う。

しかし、蟻地獄は、アリが登ろうとする先から斜面の砂が崩れていくため、アリがいくら足掻いても登れない。

砂が崩れる理由は、斜面の角度にある。

その角度は40度、砂が自然に崩れるギリギリの角度になっている。

アリが歩く振動で簡単に崩れてしまう。

それと同時に、下から大量の砂を浴びせて、さらに足元を悪くする砂かけ攻撃する。

アリジゴクを作るのにかかる時間は、約1時間。

最後に、斜面に砂をかけていくが、この時、粒の小さい砂を使うことで、より険しい急な斜面を作ることができる。

大アゴの内側にあるトゲで、大きい砂と小さい砂をふるい分けている。

大きい砂は、外に投げ捨て、小さい砂は斜面へ。

その投げる角度は60度。